有村架純×中村倫也が語る、『石子と羽男』のグルーヴ感 笑えない珍トラブルエピソードも

有村架純×中村倫也が語る『石子と羽男』

ビントロのような皮の強い人間になりたい

――ドラマの中で中村さんがいう「ソノコンテント」(イタリア語:満足している)というセリフ、フレーズが印象的ですが、お二人が最近思わず「ソノコンテント!」と言いたくなるような瞬間はありましたか?

中村:バナナマンの日村(勇紀)さんと生田斗真が旅をする番組でナレーションをやらせてもらったときに、2人が斗真くんお勧めの干物を食べていたのがすごい羨ましくて。そしたら、斗真くんがそれを送ってくれて。ハイパー干物クリエイターという人が作っている干物なんですけど、めちゃくちゃうまくて、これは満足でした。

――何の干物ですか?

中村:ビントロとかいろいろ入っていたんですけど、ビントロの干物なんて聞いたことないじゃないですか。マグロなので、小骨とか全くないんです。皮も強くて。裏返して焼くときに、皮の強さをすごい感じながら、僕もこういう皮の強い人間になりたいなと思って……どういうこと?(笑)あれはおいしかったですね。

有村:食べ物のことで思い出したんですけど、私も親しくしている方からお肉をいただいて、そのお肉がこだわりを持って作られているお肉で。油が全く重たくないという。

中村:さっと溶けていくような?

有村:サシが入っているんですけど、全く胃もたれもせず、何枚でも食べられちゃうお肉で。

中村:いいんだよ、分けてくれても(笑)。何枚でも食べるよ(笑)。

有村:(笑)。撮影のご褒美に食べました。

――作品を作っていて、面白かったり考えさせられるな感じる部分はどこでしょう?

中村:前半に中長ゼリフ、後半に大長セリフがある役なので、覚えてきたものをやるだけじゃなく、そこは緩急自在に乗りこなして面白おかしく転がせるようにしなきゃなというのは、クランクイン前の台本を読んでいる段階からあって、自分の使命として感じていました。それでも第1話のクライマックスは特に、予想以上にクラッシュしたシーンになっていて。やるのは大変なんですけど、おもしろいなと思いましたし、基本的にどのシーンもやっていて楽しいです。

有村:作品全体を通して、こういうこともトラブルの1つになって、事が大きくなることがあり得るんだという内容が、毎話繰り広げられているので、日常への危機感というか、改めて自分の正義の尺度を考えさせられる話でもあるのかなと思ったりします。

中村:すごくいいこというじゃん。

有村:いやいやいや(笑)。

中村:羽男をやっていて、そんな感覚は持っていなかった。羽男は自分を守ることしか考えていないから(笑)。石子は人のためにだけど。

有村:仕事ではあるんだけど、やっぱり対人なので、どこまで感情移入するのかというのは、バランスを見るのがとっても難しいです。でも、そういう人情的なところを塚原(あゆ子)監督と山本(剛義)監督が、汲み取ってくださっていると思います。

――長セリフもあって大変だと思うんですが、セリフを覚えるときは、何か工夫されたりしますか?

中村:僕は部屋の中を歩きまわりながら、いろいろな物を見て認識しながらやっていますね。注目するポイント、自分の体の動き、視界、景色を変えながら覚えて、歩きダコができるんじゃないかというくらい。そしたら、その歩きダコが潰れて、血がダラダラ出るんじゃないかというくらい。毎日、甲子園までの球児みたいな努力をしています。

――血の滲む努力を……見るものはそのセリフと何も関係なく?

中村:関係ないものを見て認識するんです。現場に行って、いざ相手役を前にして表情を見ていたら情報量が変わるじゃないですか。セリフ覚える作業中に情報量をできるだけ増やす。後は、自分の体の居心地の良いポジションからずらしながらしゃべるということをやらないと、結局現場に行って動きがついて、芝居をして、相手の変化も受け取って、という時にセリフが飛ぶんですよね。だから、本当に歩きダコができるんじゃないかというぐらい。そしてそのタコが潰れて、血が出るんじゃないかというぐらい。

――ありがとうございます(笑)。有村さんはいかがですか?

有村:何回も読みながら、話の流れを入れながら、ちょっとずつセリフが中に入っていって、いざ覚えるぞ、となったときは、テレビだったり音楽だったりを聴きながら情報を入れて、その中でセリフを練習します。

中村:みんな似たようなことをしてるんだ。

有村:歩きながら読んだりもします。

中村:ベストコンディションじゃない状態で言えるようにするということでしょ?

有村:そうですね。

中村:それは本当に涙ぐましいよ。

有村:(笑)。

中村:すぐ忘れるから不思議だよね。もうやったら忘れる。1話のセリフは何だっけ?

有村:1話のセリフはもう忘れましたね。

撮影中にタンザニアから詐欺の電話?

――珍トラブルに挑んでいくお話ということで、自分の身の回りに起きた経験はありますか?

中村:日々起きないように暮らしてるからな、全然ない(笑)。そういうのが起きやすい人いますよね。エピソードがいっぱいあるから憧れます。赤楚とかそういうの起きやすいんじゃない? 何か言ってたよね? 昨日、撮影中に赤楚がタンザニアから詐欺の電話がかかってきたと言い始めて(笑)。

有村:結構危なかったですよね。

中村:電話に出ちゃって、そしたら異国の言葉が流れて、電話番号を調べたら、タンザニアの詐欺の電話で。撮影のセッティングチェンジの合間にそれが起こったらしくて。「僕今出ちゃったんですけど、大丈夫ですかね?」という相談を持ちかけられました。

有村:それでいうと、私、クリックしちゃって。カード情報を抜き取られました(笑)。

中村:そんな大変なことがあったの。抜かれて気づいたの?

有村:カード会社が怪しいと思って止めてくれて、連絡が来ました。カード番号を変えて大丈夫でした。

――笑えることじゃなくて、本当にガチなのがきましたね(笑)。

中村:よかったね。カード会社が怪しいと思ってくれて。リアル法律事務所に駆け込むところだったね。

有村:セキュリティがしっかりしていました。(読者に向かって)気をつけてください。

中村:気をつけてください!

――身の回りで、今解決したいことはありますか?

中村:雨が減ってほしい(笑)。永遠に撮れない道というシーンがあるんですよ。紙芝居で放送するんじゃないかなと思っているシーンがあって。3回ぐらい延期になって、まだ撮れていないですね。もちろん、適度にというか、雨は恵みの雨なので大事ですけど、僕らの休みの時にしてほしいなって。室内のときとかにたらふく降ってくれと。それが困っていますかね。

有村:移動が多いんですけど、車で移動するときに、ちょうどいい背もたれが欲しいです。体が固まってきちゃうので。長時間座っていても平気な何かが欲しいです。

中村:車もそうだけど、新幹線でも飛行機でも、座面があって、背もたれがあって、首のところちょっと前に出てない? あれ、もうちょっとどうにかならないのかな。首のS字にちょうど沿うような。なんであれはちょっと前に出るんだろう? 何か理由があるのかな? もうちょっといい感じに、スンって落ち着く感じにしてくれたら。寝る時も枕のポジション合わなくて落ち着かないとかたまにあるじゃないですか。全世界の人共通で落ち着くものを開発してもらいたい……みたいな話が6話にあるので、楽しみにしてください(笑)。

■放送情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、さだまさし
脚本:西田征史
演出:塚原あゆ子、山本剛義
プロデュース:新井順子
編成:中西真央、松岡洋太
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/
公式Twitter:@ishihane_tbs
公式Instagram:@ishiko.to.haneo_tbs

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