『ユニコーンに乗って』やはり西島秀俊は“理想の上司” 恋もビジネスも小鳥が動かす展開に
小鳥役を演じる西島は、今作同様に若者とも壁を作らないフラットな目線の持ち主を演じることが多いように思える。朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)でもヒロイン・百音(清原果耶)が傷ついた自身の心の内を初めてはっきりと口に出したのが、西島演じる象予報会社の上司・朝岡の前だったのは印象深い。年齢や立場にかかわらず周囲に対して敬意があり、それぞれの意志を尊重し、対等な目線に立って話してくれる朝岡は、まさに理想の上司だった。
『真犯人フラグ』(日本テレビ系)での主人公・相良凌介役でも、家族想いで部下想い、そしてあまりの人の良さゆえに周囲を苛立たせてしまったりヤキモキさせてしまうようなバカ正直な役どころを好演した。
小鳥は正に女性起業家・羽田(広末涼子)の言葉通り、“潮の目”をもたらした。「ドリームポニー」のメンバーたちの“速い流れ”に小鳥の“遅い流れ”が混ざり合うことでできる“潮の目”にたくさんの魚が集まってくるように。小鳥が加わることで、より「ドリームポニーらしさ」がはっきりと浮き彫りになり、際立つ。
そしてそれは、きっと佐奈と功の関係においても同様なのだろう。功だけでなく、佐奈だってきっと功のことをどこか意識している部分があるだろうに、彼らの間には、何だか歯痒い距離感が終始横たわっている。この2人の関係性に小鳥や、小鳥とひょんなことからプライベートで接点を持ったシングルマザーの羽田なども加わり、動きが見られるのだろうか。
誰とも分け隔てなく腰が低く、そして変なプライドも見栄もなく素直な小鳥だからこそ、気負いなく佐奈も弱い部分を打ち明けられる。小鳥の前で見せる佐奈の無防備な笑顔にヤキモキし、その都度ダメージを受けている杉野演じる功の視線にチクチク胸を締め付けられながら、彼らの恋の行方も見守りたい。
■放送情報
『ユニコーンに乗って』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:永野芽郁、西島秀俊、杉野遥亮、坂東龍汰、前原滉、石川恋、青山テルマ、山口貴也、武山瑠香、広末涼子
脚本:大北はるか
プロデュース:松本友香、岩崎愛奈
演出:青山貴洋、棚澤孝義、泉正英
編成:青木伸介、森岡梢
撮影:加藤春日
主題歌:DISH//「しわくちゃな雲を抱いて」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
音楽:青木沙也果
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
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