『パリピ孔明』渋谷に96猫とLezelの歌声が響き渡る 英子と孔明が理想の主従関係に

『パリピ孔明』英子と孔明が理想の主従関係に

 ライブバトル終了後には、BBラウンジでパーティーを開催。そこには唐澤も来ていた。孔明によると、唐澤もかつて大手に与することなく音楽活動をしていたが、メンバーの1人によって裏切られていたことが明かされる。そんな過去を持っていた唐澤だからこそ、才能を見出していたAZALEAにはバンドとして売れてほしかったのだろう。唐澤は冷徹で無情なパーソナリティの人物として描かれていたが、ここでようやくAZALEAへの親心が垣間見られた。

 自分たちの音楽でファンを熱狂させることができたAZALEAに対し、唐澤は「これからは俺なしでもやっていけるだろう」と思いを固めるが、孔明によって唐澤の過去を知ったAZALEAはもう一度プロデュースしてもらえないかと唐澤に伝える。その関係性はこれまでの張り詰めたものとは違う、自分の意見をしっかりと言える理想的なもの。唐澤もAZALEAも音楽への思いは同じなのだ。

 一方で、幾度もの困難を一緒に乗り越えてきた英子と孔明の絆は深まっていた。屋上での英子と孔明の会話から感じられたのは良い主従関係にあるということ。がむしゃらでひたむきな英子、そして冷静で聡明な孔明。これほど理想的な関係性はないだろうと思わせられる。最初は1クールで描ききれるのかと心配もあったのだが、終わり方としては区切りの良いものだったのではないだろうか。これだけ話題を呼んだ作品なだけに2期の制作にも期待がかかる。英子と孔明の旅の続きをまたいつか見たい。

■配信情報
『パリピ孔明』
dアニメストア、U-NEXTほかにて配信中
キャスト:月見英子(CV.本渡楓/歌唱.96猫)、諸葛孔明(CV.置鮎龍太郎)、KABE太人(CV.千葉翔也)、久遠七海(CV.山村響)、オーナー小林(CV.福島潤)
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:本間修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督:市川元成
撮影監督:富田喜允
編集:高橋歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音楽:彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会
(c)四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会
公式サイト:https:// paripikoumei-anime.com
公式Twitter:@paripikoumei_pr

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