『パリピ孔明』渋谷に96猫とLezelの歌声が響き渡る 英子と孔明が理想の主従関係に
TOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『パリピ孔明』が最終回を迎えた。第12話「英子の歌」では、英子の歌声と七海の歌声が決戦の地・渋谷109でぶつかり合う。果たして「サマーソニア」出場権をかけた10万イイネを手にしたのはどちらの陣営なのだろうか。
KABEの煽りのおかげもあって、渋谷109の前に集まった観客は英子たちに対して完全にアウェーの雰囲気になっていた。これでは届くべき歌声も届くはずがない。そんな状況の中で七海は観客に向けて、英子の歌を聴くようになだめる優しさを見せる。七海もまた英子の歌声が自分たちをも変えてくれるのではないか、という期待があったのかもしれない。
「DREAMER」の前奏が始まると、会場の空気は一変。英子の歌声はいつしか人の気持ちを揺さぶってしまえるほどのパワーを持っていたのだ。英子の歌を聞いたAZALEAの一夏と双葉は涙を流し、七海も「戻ろうか、あの頃に」と仮面を外し、素顔を明かすのだった。AZALEAが理想としていたのは売れていなくても好きな音楽をやっていたライブバンドとしての姿。唐澤のプロディースによって、偽りの姿を演じていたAZALEAの3人の中にはいつまでも夢に向かって歩み続けていた頃の思いがあった。
英子の思いは人々の元へと届き、「サマーソニア」出場権をかけて行われていた10万イイネ企画も達成。英子の歌声を信じて託した孔明の判断も冴えているが、やはり英子の成長は孔明の想像を超えていた。
「英子は私たちに思い出させてくれた」と英子への感謝があふれる七海。純粋に音楽を楽しむことを思い出したAZALEAはいつものスタイルではなく、かつてのライブバンドとしての楽曲を歌い始める。自分らしく歌う七海たちの表情からは清々しさが伝わってきた。これが本当のAZALEAだ。96猫とLezelの魂のこもった歌声が渋谷109に響き渡り、お互いの思いがぶつかり合う。その光景は圧巻だった。たかがアニメ、たかが音楽なのかもしれない。だが、このシーンのお互いの本気の歌声には心を動かされた方も多かったのではないだろか。
孔明は英子だけではなく、AZALEAも見捨ててはいなかった。モニターに新生・AZALEAと書かれた映像が映し出されると、AZALEAのライブシーンが流れ始める。これも孔明の計略のひとつ。AZALEAも目まぐるしい勢いで10万イイネを突破した。「今さらこんなもの何の意味もない」と話す唐澤だったが、映像を見ていたファンがぞくぞくと109の前に集まっていた。これはお金で買ったイイネではない。AZALEAの純粋な音楽を聞いて、心惹かれた人々の思いが集まったものだ。誰も見捨てることはしない。孔明はやはり天才軍師だ。