渋谷に転生した『パリピ孔明』だけじゃない! アニメで活躍する諸葛亮孔明たち

アニメで活躍する諸葛亮孔明たち

 春アニメの中でも一際注目を集め続けた『パリピ孔明』。三国志における名軍師・諸葛亮孔明が現代社会に舞い降り、歌手志望の英子のマネージャー兼プロデューサー的な役割を担う様子は時に熱く、時に学びがある。ただ、『パリピ孔明』以外にも孔明が活躍したアニメは少なくなく、各アニメに登場した孔明を振り返ってみたい。

 『パリピ孔明』は孔明が現代社会にタイムスリップする、いわゆる“転生モノ”。昨今、転生モノは一般化したため、転生してもさほど驚かない主人公は珍しくなく、約2000年前に命を落とした孔明も例外ではない。転生した当初は、渋谷のハロウィンを「地獄」と、ペットボトルを「セミの抜け殻」と勘違いするなど、困惑した様子を見せる。ただ、ものの4時間で「ブロックチェーンの作成とはいかなることでしょう?」と英子に質問しており、その知識の吸収力だけでなく、順応力の高さを伺わせた。

 さらには、英子のバイト先のクラブのバーカウンターに立つと、これまたすぐに大活躍。未だにオーダーに苦戦する英子を尻目に、ジントニックやソルティドッグといった聞きなれないメニューの注文をバンバン受け、呂布奉先並みの大立ち回りを披露した。戦の戦況は数分、数秒で大きく変化する。また、敵軍から裏の裏をかかれることを予想して、戦略を立てる必要があり、常識に囚われてはいけない。数々の修羅場を潜り抜けた孔明だからこそ、現代人でさえ置いてけぼりをくらいがちな現代社会でも、早々に地に足をつけることができたのだろう。

 もちろん、英子のマネージャー兼プロデューサーとしても優秀過ぎる。SNSで人気を集める女性シンガー・ミアから、自身のライブのかませ犬として英子を出演させられた際、フロアの構造を巧みに利用して、客を英子のフロアに釘付けにする“石兵八陣”を展開。また、代々木アートフェスで英子と同じタイムスケジュールだったインディーズバンド・JET JACKETに対して、機材トラブルを装い、油断させて客をかっさらう“無中生有”を繰り出し、夏の大型フェス・サマーソニア出演のキッカケを手繰り寄せた。ライブの時間帯や会場、ライバルの特徴など、くまなくチェックしたうえで、最善のパフォーマンスを引き出す。まさに名軍師だからこその働きぶりと言える。

 英子の右腕として辣腕を振るう孔明は、メーカー勤務の人間に目をつけられていたら、恐らく商品のプロデューサーからPRまで、今以上の活躍を見せていたかもしれない。裏を返せば、広告関連の仕事をしている人は、孔明の兵法から学ぶことが多いのではないだろうか。

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