『マイファミリー』でも好演の迫田孝也 はまり役過ぎる『鎌倉殿の13人』源範頼の最後は?
次々と主要人物の死が描かれているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。6月19日放送の第24回で主役の一人となるのが、源範頼(迫田孝也)だ。
征夷大将軍にまで上り詰めた兄・頼朝(大泉洋)に対してどこまでも誠実さを貫こうとする範頼の愚直なまでの真面目な言動。それは、頼朝の代官として木曽義仲(青木崇高)軍や平家軍と戦ったときにも際立っていた。
天才的ひらめきのある義経(菅田将暉)の傍らにいても、対抗意識を燃やすわけではなく、自分の役割を見極め、周囲の意見を聞き、頼朝軍の勝利に大いに貢献。それだけではなく、神剣の捜索や平家の領地の処分など、忠実にやるべき仕事をこなしていた。
そんな範頼に最大のピンチが迫っている。富士の裾野で盛大に行われた巻狩り。坂東武者が揃って大規模な狩りをするにあたり義時(小栗旬)は準備を滞りなく進め、若く、戦の経験のない頼朝の嫡男・万寿(金子大地)や義時の嫡男である金剛(坂口健太郎)も弓の腕を磨くべく参加していた。
そして、頼朝らが揃って鎌倉を留守にしている間、御所を預かっていたのが範頼である。まさか、巻狩りの最中に曽我兄弟(田邊和也・田中俊介)が敵討ちに見せかけて頼朝暗殺を企て、「鎌倉殿が討たれる」と使者によって一報が届くなどとは予想もしなかったに違いない。
動揺し、取り乱す政子(小池栄子)に、範頼が「御台所、鎌倉は私がお守りいたす」と告げたのは、これまでの範頼の控えめな態度から、それが頼朝への忠義の心からの言葉だと素直に受け取ることができる。しかし、佐藤二朗演じる比企能員が「蒲殿(範頼)を鎌倉殿に」と比企家の繁栄のために強く押したことで、命拾いした頼朝から「野心あり!」と疑惑を持たれることになってしまう。その結果、第24回「変わらぬ人」で範頼は最大のピンチを迎えるのである。
偉大なる兄・頼朝のもと、謙虚に尽くす範頼を演じる迫田孝也に対しては、SNSでもとにかく熱い応援が飛び交う。その一方で、『鎌倉殿の13人』の放送後は、21時スタートの日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)で、迫田が演じた神奈川県警捜査一課管理官・警視、日下部七彦が最終話直前に「真犯人では?」とも話題になった。2クール連続で放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)でも、最終話まで真犯人の候補になっていたことも記憶に新しい。いずれの作品でも、ただの“いい人”ではなく、「何かあるのでは?」と思わせる背景を迫田が醸し出しているからだろう。毎クール、視聴者は迫田に夢中になっていると言っても過言ではない。