ジョニー・デップとアンバー・ハードの裁判のハイライトを解説 3週間経過も水掛け論に?

ジョニー・デップ×アンバー・ハード裁判の今

 また、デップの長年の運転手兼ボディガードの一人であるスターリング・ジェンキンスが、2016年4月に起こった夫婦喧嘩の余波について語った。その喧嘩は、デップがハードの誕生パーティーに遅刻したことが原因で勃発し、喧嘩後にデップが自宅を出てからほどなくして、警護チームが夫婦のベッドの上に排泄物を発見。ハードが家を留守にしている間に荷物を取りに戻ろうとしたデップに、ボディガードが排泄物を撮影した写真を見せ、「今、家に戻るのはやめた方がいい」と説得。当時を振り返ったデップは、「それは私たちのベッドの写真で、いつも私が寝ている側に排泄物があり、それはあまりに異様かつグロテスクで笑うしかありませんでした」と証言。その排泄物についてハードは、2人が飼っていた2匹のティーカップヨーキーのものだと言い張っていたそうだが、デップは、「私は、その犬と一緒に暮らしていて彼らの糞を片付けたことがあり、それ(ベッドの上の排泄物)は犬のものではありませんでした」と述べていた。

 今回の裁判では、ハードが手にしたデップとの離婚和解金700万ドル(現為替で約9億円)の行方も議論の対象となっている。和解金が支払われた当時、ハードはその半分を人権擁護団体であるACLUに寄付すると約束したが、同団体で最高執行責任者兼法律顧問を務めるテレンス・ダハティが、ハードの名前で団体が受け取ったのは130万ドル(約1億7000万円)のみで、そのうちの50万ドル(約6500万円)は、その頃にハードが交際していたイーロン・マスクからの寄付だと思うと証言していた。

 そして、3週目の裁判で最も注目を集めた証人の一人が、デップとの関係で心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいると主張するハードを分析するため、デップが雇った臨床心理学者のシャノン・カリーだ。カリーはハードに2日間で12時間にわたり、心理検査のために数百の質問に答えさせたという。カリーは、ハードが自身の症状を大きく誇張していてPTSDではいないと証言し、ハードが境界性人格障害と演技性パーソナリティ障害を患っていると診断。カリーは、ハードが感情的かつ支配的な性格で人を肉体的・心理的に虐待する人物だと分析し、「ハードが人間関係において見捨てられることを恐れる人物」だと主張するデップの説明と一致すると証言。またカリーは、ハードのような人物は相手と関係を維持するために脅迫したり、暴力をエスカレートさせたりする可能性があるともと述べていた。

 現時点で、デップ対ハードの裁判は水掛け論的にしか進んでいない感があるが、果たしてどのような判決が下るのだろうか。5週間にわたって開かれる裁判は、残すところ2週間となっている。

参照

https://www.insider.com/amber-heard-admitted-poop-johnny-depp-bed-guard-testifies-2022-4
https://metro.co.uk/2022/04/25/johnny-depp-and-amber-heard-trial-everything-thats-happened-so-far-16528804/
https://www.insider.com/amber-heard-admitted-poop-johnny-depp-bed-guard-testifies-2022-4

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