ジョニー・デップ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』復帰説を否定 元妻との裁判で新証言

ジョニー・デップ、『パイレーツ』復帰なし?

 4月20日(米国現地時間)、ジョニー・デップが元妻アンバー・ハードとの裁判にて、彼女が虐待の主張を暗示する文書を書く前から、ディズニーから自身との仕事に警戒心を抱かれていたと証言した。

 ハードは2016年にデップのDVを訴え、接近禁止令を申請。同年中に、「どちらの当事者も金銭的な利益のために虚偽の告発をしていない 」という一節を含む共同声明の元に夫婦は離婚した。だがこれは弁護士がデップに争わないようアドバイスをした結果であり、彼自身は疑惑と闘いたいと考えていたという。しかし、2018年には、ハードがDVに関する記事をワシントンポスト紙に寄稿。記事内でデップを名指しはしていなかったものの、内容が彼を示唆するものであったことから、デップは5,000万ドル(約64億円)の損害賠償を求める訴訟を起こすことに。デップは、ハードの記事が自分のキャリアを台無しにしたとして、彼女を非難。ハードの言っていることは捏造であり、自分を殴ったのは彼女だと裁判で主張している。

 デップは裁判の5日目にあたる4月19日(米国現地時間)に証言台に立った。彼の弁護士であるジェシカ・マイヤーズは、数時間に及ぶ証言の中で、右手中指の指先を切断されたエピソードを含む、ハードとの喧嘩について語った。デップは、ハードが繰り返し自分を攻撃・叱責し、寝室やバスルームに鍵をかけて隠れるのが普通だったと主張した。また彼自身は、ハードに暴力を振るったことはないと否定している。

 証言台でマイヤーズ弁護士から質問を受けたデップは、2018年12月にハードの記事がワシントンポスト紙に掲載された数日後、ディズニーが『パイレーツ・オブ・カリビアン』の第6弾から自分を降板させたと述べた。そして、同作は現在制作されず、宙ぶらりんの状態にあると証言。

 しかしハードの弁護士であるベン・ロッテンボーンによる反対尋問では、デイリー・メール紙が、2018年10月の時点で既にデップがジャック・スパロウ役から外れたことを報じているとの質問が出る。デップは「そのことは知らなかったが、驚きはしない」「当時は#MeToo運動が本格化しており、ディズニーは安全のために関係を切ろうとしたのだろう」と証言。そして「私の名前が出たかどうかにかかわらず、ハードの言葉のせいで私のキャリアに影響がなかったと考えるなら、私はとんだ愚か者だ」と話す。

 デップは、ディズニーが『パイレーツ・オブ・カリビアン』の6作目から彼を外したあとも、世界中のテーマパークでジャック・スパロウのキャラクターを起用していることについても言及。「彼らは未だにジャック・スパロウの人形の販売をやめていない」と主張している。

 一方で、ロッテンボーン弁護士は、デップが宣誓証言の中でもしも『パイレーツ・オブ・カリビアン6』のオファーがあったとしても仕事をしたくないと述べたことに言及し、デップもまたそれには同意している。マイヤーズは、4月20日の午後にデップの直接尋問を終えた。

 4月21日(現地時間)にもロッテンボーンの反対尋問は続くことになっている。約6週間続くと予想される裁判の後半にはハード自身が証言台に立つことになるだろう。英国で先に行われた、サン紙がデップをDV夫と報じたことに対する裁判では、判事はデップの名誉毀損の訴えを退け、ハードの虐待の訴えは「実質的に真実」であると判断している。

参照

https://variety.com/2022/film/news/johnny-depp-cross-examination-begins-pirates-of-the-carribbean-6-1235237292/

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