『ファンタビ』シリーズに存続の危機? エズラ・ミラーの続投は? 不祥事をおさらい
世界的に大ベストセラーとなったJ・K・ローリングの同名小説を映画化し、社会現象を巻き起こした『ハリー・ポッター』シリーズ。その前日譚となる『ファンタスティック・ビースト』(以下『ファンタビ』)シリーズが、存続の危機に瀕しているようだ。
まず、『ファンタビ』関連でネットを賑わせた最近のニュースとして、シリーズ第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)より、クリーデンス・ベアボーンを演じているエズラ・ミラーが立て続けに逮捕された件がある。ミラーは、2022年3月末にハワイのカラオケバーで治安びん乱とハラスメントの容疑で逮捕(※1)された後、1カ月も経たないうちに同地で再び逮捕(※2)。その件では、個人宅での会合に参加していたミラーが、その場から出ていくように女性から言われたことに腹を立て、椅子を投げて相手の女性に怪我をさせたとして逮捕された。
3月に起きた事件を受け、『ファンタビ』シリーズとミラーが主演するDC映画『The Flash(原題)』を製作するワーナー・ブラザースが緊急会議を開き(※3)、ミラーが携わっているプロジェクトの一時中断が検討されたと報じられた。一方でワーナーは、『ファンタビ』シリーズと『The Flash』におけるミラーの将来について正式な発表を控え、沈黙を守り続けている。ミラーの代理人でさえ、何の声明も出していないという状態だ。
そんななかDeadlineが、ワーナーの上層部はミラーが繰り返し起こした不祥事を懸念していないと報じている。というのも、『ファンタビ』シリーズの第3作となる『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』以降、スタジオとミラーは出演を約束していないからだという。この報道から察するところ、同シリーズへのミラーの出演契約は第3作で満了したのではないかと考えられる。『The Flash』に関しては、米国公開が2023年6月23日と1年以上も先であることから、スタジオは、それまでに事態は落ち着いているだろうと期待しているのかもしれない。現時点では、『フラッシュ』を劇場公開せず、ワーナー・ブラザースが所有する配信サービスHBO Maxでのリリースに切り替えるといった情報は届いてない。
どうやら、将来的にミラーが『ファンタビ』シリーズの続編にカムバックする可能性が低くなっているようだが、そもそもシリーズの存続自体が怪しくなっている。北米で4月15日に公開された『ダンブルドアの秘密』はオープニング週末興行収入ランキングでトップを飾ったが、週末3日間の興行収入は4,300万ドルに留まり、『ハリー・ポッター』&『ファンタビ』シリーズで史上最低の滑り出しとなってしまった。