『元彼の遺言状』で月9の“脱ラブストーリー”化は完成か 第1話から怪しさ醸す大泉洋

『元彼の遺言状』第1話から怪しさ醸す大泉洋

 そういった意味で第1話の気になるポイントを挙げていけば、原作からキャラクター設定が変更され、主人公の麗子のバディとしての位置付けになった篠田の存在であったり、不動産の相続に集められた“元カノ”たちの中に1人辞退した人物がいるということ。麗子が目を光らせる食卓のシーンで、亮が“左利き”を矯正されているというところあたりか。

 いずれにせよ、正面からのアングルや円卓を使ってカメラが動いたり、切り返しで時間軸を大胆に移動させたりと、安定した鈴木雅之演出は本作でも冴え渡る。とはいえ『HERO』(フジテレビ系)や『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)のようなチームプレイでない以上、その様式美はやや抑えめ。どちらかといえば、バディで事件の真相を解き明かす点と、大勢の人物がひとつの場所に入り混じるといったあたり、映画『マスカレード・ホテル』シリーズに近い空気を感じる。

■放送情報
『元彼の遺言状』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、大泉洋、生田斗真、関水渚、森カンナ、笛木優子、要潤、野間口徹、佐戸井けん太、笹野高史、萬田久子
原作:『元彼の遺言状』新川帆立(宝島社)
脚本:杉原憲明
演出:鈴木雅之、澤田鎌作
プロデュース:金城綾香、宮崎暖(「崎」はたつさきが正式表記)
音楽:川井憲次
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/motokare/
公式Twitter:@motokare_cx_
公式Instagram:@ motokare_cx

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