黒島結菜の朝ドラヒロインは誰もが納得 『ちむどんどん』に至るまでを振り返る

黒島結菜の朝ドラヒロインは誰もが納得

 黒島結菜がヒロインを務める朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)が、4月11日よりスタートする。

 沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる地域を主な舞台に、黒島は食いしん坊で運動神経抜群のヒロイン・暢子を演じる。4兄妹の次女として伸び伸びと育った暢子は、とにかく食べることも、料理をすることも大好きな、明るい愛されキャラ。幼い頃に家族と行った洋食レストランの味に感動し、暢子はあることをきっかけに高校卒業後、料理人になろうと東京へと向かう。

 沖縄が舞台となる朝ドラは、2001年の『ちゅらさん』、2012年の『純と愛』に続き3作目。『ちむどんどん』は『純と愛』から約10年ぶり、そして沖縄が本土に復帰して50年という節目の年に放送される朝ドラである。「2度の朝ドラ経験者」「沖縄県出身」という2つのバックグラウンドを持つ黒島は、誰もが納得する『ちむどんどん』のヒロインと言えるだろう。

 現在25歳の黒島は、2012年の15歳の時に芸能界デビューを果たす。その2年後、17歳で出演したのが『マッサン』だった。脚本を担当するのは、『ちむどんどん』と同じ羽原大介。沖縄とは遠く離れた北海道の言葉を駆使しながら、黒島にとって初の朝ドラの現場を経験する。

 2度目の朝ドラ出演となったのは、2019年放送の『スカーレット』。22歳の黒島が演じたのは喜美子(戸田恵梨香)の夫・八郎(松下洸平)に心を寄せてしまう三津という、物語をかき乱す波乱づくめの役だった。だがそこにあざとさはなく、喋って、笑って、一緒にいるうちに好きなっていくーーといった純粋で無邪気で、だけど罪深き、忘れられぬ役柄である。今回黒島が演じる暢子も大きく分類すれば、三津とその天真爛漫な性格は近く、オンエア当時、非常に話題を呼んだ三津役で朝ドラフリークにはすでに厚い信頼が築き上げられているとも言える。

 さらに黒島が主演を務め、彼女にとっての代表作である2017年放送の『アシガール』(NHK総合)。このドラマで演じた女子高生の速川唯と『ちむどんどん』の暢子とで大きく共通しているのが「走る」という点だ。劇中で暢子はどんな子なのかと紹介されるのが、徒競走で同じクラスの男子を追い抜かして1位になるシーンである。普段はさっぱりとした控えめな性格の黒島が、カメラが回りだすと俳優のスイッチを入れて躍動し始める。そんな素顔とのギャップとみずみずしい感性が彼女の大きな魅力だ。

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