アイナ・ジ・エンドの“ネクストステージ”は「病みに飽きること」 声優初挑戦の心境語る

アイナ・ジ・エンドのネクストステージとは

 再び、映画館のスクリーンに戻ってきたムーン劇場の面々たち。あれから5年が経ち、劇場ではロジータやジョニー、ミーナ、グンターと前作で活躍していたキャラクターたちが連日ショーを賑わせていた。支配人のバスター・ムーンはというと、より大きな舞台を用意するためにエンターテインメントの聖地へと彼らを連れていく。しかし、そこで待ち受けていたのは、自分より才能に秀でた存在や圧力、焦燥感だった。その中で、彼らと新たに出会う新キャラクター、オオカミのポーシャ。一見誰よりも自由奔放であるものの、彼女もまた抑圧の中にいた。そんなポーシャを演じるのは、BiSHのメンバーで、ソロアーティストとしても活躍するアイナ・ジ・エンドだ。

 今回が声優初挑戦であり、劇中でポーシャが歌うアリシア・キーズ原曲の「Girl On Fire」やザ・ストラッツ原曲の「Could Have Been Me」なども力強く熱唱する。アイナ・ジ・エンドがポーシャと照らし合わせて見つめる自分自身とは、そして彼女にとっての“ネクストステージ”とは。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

“声優だけじゃない”というのが自分にとっては大きかった

――字幕版でポーシャを演じるホールジーの声のトーンにもかなり合っていましたし、吹き替えが未経験だったとは思えないほど、自然な演技に驚きました。役柄へのアプローチからお聞かせください。

アイナ・ジ・エンド:ホールジーは声がハスキーなだけではなく、そこにはチャーミングさもあり、何か人を寄せつける魅力を持っている声をしていると感じました。なので、私もよくハスキーと言われるけど、そこに対して、それだけではない自分も引っ張ってきてポーシャとして喋ろう、歌ってみようと思いました。

――ポーシャは気分に合わせて声のトーンのアップダウンも激しいキャラクターですが、挑戦的だった部分は?

アイナ・ジ・エンド:パパやママに甘えるとか、自分の信頼している人にしか出さない声色が自分にはあって、それを全面的に出し続けました。ポーシャは、きっと甘えたでワガママなキャラクターです。彼女はいつもお父さんに甘えているから、アイナ・ジ・エンドもそういう部分を出さないと役とリンクしないなと思って……少し恥ずかしかったですけど、そんなふうにやってみました。

――声優初挑戦とのことですが、改めて本作への出演の決め手は何だったのでしょう?

アイナ・ジ・エンド:『SING/シング』シリーズは歌うシーンがあるので、“声優だけじゃない”というのが自分にとっては大きかったです。声優だけのお仕事でしたら、自信もなかったです。「歌」があるのは最高でした。だから今後も、劇中にキャラクターが歌うシーンがある作品であったら、また是非挑戦したいです。

――演じたポーシャの曲を歌っていて自身に重なる部分、思い入れがあった部分はありますか?

アイナ・ジ・エンド:「Could Have Been Me」という曲があって、その最後の歌詞「かがやいていたい」の「い」の音がめちゃくちゃ高い音で、今まで出したことのないキーでした。「結構これは出ないな」と思って、家で練習していたときも一度も出たことがありませんでした。それでも、スタジオに入ってレコーディングしていると、ポーンと一回出て。それが自分にとって、とても革命的なことだったと覚えています。びっくりしました。

――本番で成功するのって、なんだか『SING/シング』らしいですね。

アイナ・ジ・エンド:ポーシャの映像を観ながらずっと歌っていました。だから、ポーシャが自信に満ち溢れた顔をしてずっと歌っているので、それが憑依して自分のマインドもポジティブになっていたのかなぁと。なので、それもポーシャのおかげかもしれません。

――実際、ポーシャというキャラクターをご自身と比べてみて、相違点などはありましたか?

アイナ・ジ・エンド:ポーシャはワガママで、人を寄せつけないというか、ただ可愛いワガママでもなく、もうみんなが飽き飽きしちゃうような瞬間もきっとあるような子です。だけど、本当はとても素直で実はいいやつだと私は思っていて。私もどちらかというと天真爛漫な方ではあると思うし、信頼している人の前ではワガママも全然平気で言っちゃうので、そういうところは似ているなと感じました。ただ、私はワガママなことを思っても、ポーシャみたいにあんなにガッツリ言えないから、彼女の“言える勇気”はすごいなって思います。

――声優発表時のコメントには「パパが好きなところが同じ」と寄せていましたね。

アイナ・ジ・エンド:ポーシャはパパに「フレンチトーストが食べたい」って言ったら出してもらって食べていたような生活を送るオオカミの子で、私はあんまりそういうことを言ったことはありません。しかし、「パパ、シルバニアファミリー欲しい」って言ったら誕生日には買ってもらっていました。そんなふうに、私もパパに甘える少女ではありましたね。

――“甘える”って難しいですよね。相手に甘えたいときは、どう伝えますか?

アイナ・ジ・エンド:難しいですよね。まず言葉で伝えないので、言葉で伝えられる人はすごいなって思う。私は全然何も言わないし、ただふと隣に現れて、ふと帰る。人たらしなところがあるので甘えるのが苦手とかはあまりないし、年下年上関係なく甘えたいし甘えられたい。長女だからかもしれない。人は好き。だから言葉でわざわざ「今から甘えていい?」って言わなくても、勝手にやっちゃうし勝手にやってくれていいと思っています。

――もし自分が『SING/シング』の世界の住民になったとしたら、どんな動物になりますか?

アイナ・ジ・エンド:いや、それ自分も勝手に前作を観ながら考えていたんですよ。私、多分ちっちゃい系です(笑)バスター・ムーンくらいの。彼、他の動物と話しているときずっと上を見上げているんですよ。そしたら首痛くなるじゃないですか。でも私、現実世界でストレートネックなので、バスターになって常に下から上を見上げる形でそれを治したいです(笑)。

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