『進撃の巨人』リヴァイとハンジの対話が示す信頼関係 敵味方の垣根を超えた104期の集結

 時は進み、フロック・フォルスターとジャンはイェーガー派の仲間を引き連れ、ジークの安楽死計画に肩入れしていたイェレナとオニャンコポンを処刑しようとしていた。処刑直前、オニャンコポンが語った言葉に胸が痛くなった。遡れば、エルディア人は巨人によって無差別な殺人を目の当たりにしてきた。その苦しみをフロックたちは十分に知っているはず。だが、立場が入れ替わった途端に無差別殺人を容易にできてしまうのが人間でもある。そこに人間の醜さや愚かさが反映されているのだと思うと、オニャンコポンが放った一言は、作中でも特に意義深いものに感じられた。

 そんなオニャンコポンの思いも虚しく銃口を向けるジャン。辺り一帯に4発の銃声が鳴り響く。銃声と呼応するかのように、襲いかかってくる車力の巨人にジャンは喰われてしまう。しかしこれはすべて作戦通り。イェーガー派に翻ったと思われたジャンだが、それもイェレナをマーレ側に差し出すという要求に応えるためだったのだ。

 アニと合流し共に行動していたコニーとアルミンらは、ライナー・ブラウンの元へと向かい、世界を救うために共闘を申し出る。104期が同じ目的のために集まるのはいつぶりだろうか。血生臭い描写が続いていただけに、少年漫画的な展開に胸が熱くなった。

 終末に向けて世界は刻一刻と進んでいる。それを止めるためには人種や国の垣根を超えた強力が必要だ。今となっては人々の憎しみ合いは何ら意味はない。人類の団結こそ世界を救う最良な手段なのだから。同じ目的のため集結した104期のメンバーは、エレンを止めることができるのか。

■放送・配信情報
TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』
NHK総合にて、毎週日曜24:05〜放送
キャスト:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴ロ美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、沼倉愛美、増田俊樹、松風雅也
原作:諫山創(別冊少年マガジン/講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:岸 友洋
総作画監督:新沼大祐 / 秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越 恒
制作:MAPPA
(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式Twitter:@anime_shingeki

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