『進撃の巨人』リヴァイとハンジの対話が示す信頼関係 敵味方の垣根を超えた104期の集結

 リヴァイ・アッカーマンとハンジ・ゾエ、幾度もの修羅場をくぐり抜けてきた戦友とも言える2人の絆が垣間見えたTVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』第83話。イェーガー派と行動を共にしていたジャン・キルシュタインの目的も明らかになった。

進撃の巨人

 ジーク・イェーガーの不意打ちによって、生死を分けるほどの深い傷を負ったリヴァイを救ったのはハンジだった。顔面に大きな損傷を負っていたリヴァイだったが、ハンジの緻密な縫合技術によってなんとか一命を取り止める。しかしその一方で、ハンジは自分がこれまで貫いてきた正義が時代の変化によって無意味なものとなってしまうのだと半ば諦めにも似た言葉を口にする。

 「いっそ二人でここで暮らそうか、ねぇリヴァイ」ーー眠っているリヴァイに優しく語りかけるハンジ。これまで一度も弱音を口にすることがなかったハンジの口から漏れたこの言葉はリヴァイへの信頼の証だ。もちろんそれはリヴァイが聞いていないことを前提にしたものだったはずだが、リヴァイにはハンジの声がしっかりと届いていた。それに対しリヴァイは「蚊帳の外でお前が大人しくできるはずがねぇ」と突き放してみせる。お互いに良き理解者として信頼していることが伝わってきた描写だった。

 同じころ、コニー・スプリンガーは顎の巨人を継承したファルコ・グライスと共に母親が待つラガコ村へと向かっていた。その道すがら、コニーは何の疑いもなく自分を信じるファルコへの罪悪感と使命感のせめぎ合いに頭を悩ませていた。コニーだって、何の罪もない子どもの命を無下にしたいとは思っていない。だが、それは愛する母親を取り戻すための唯一の手段なのだ。

 ようやくラガコ村にたどり着いたコニーとファルコ。ここがラガコ村だと知ったファルコは、コニーの行動が善意ではないことに気づき始めていた。ファルコを巨人化した母親の元へと案内するコニーだったが、なかなか行動に移すことができない。挙句の果てに、母親の歯を磨くのを手伝ってほしいと、嘘丸出しの笑みを浮かべる始末。原作でも印象的なコニーの表情だが、アニメ版ではより豊かに描写されていた。

 歯磨きを手伝ってもらうのを口実にファルコを母親に食べさせるというコニーの魂胆は明らか。そこにやってきたのはアルミン・アルレルトとガビ・ブラウン。2人の説得も虚しくコニーは引き下がろうとはしない。そこでアルミンが下した決断は超大型巨人を継承している自分が犠牲になるということ。意を決して母親の口をめがけて飛び込むアルミンだったが、それを阻止したのはコニーだった。

 立派な兵士になってほしいという母親の言葉を思い出し、子どもと友達を犠牲にしようとしていたコニーは自責の念に駆られていた。「母ちゃんに誇れる兵士になりたい」ーーそれがコニーの思いだ。そのためにコニーは困っている人を助けに行くことを決意するのだった。

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