『39歳』“誰にでも起こりうる”物語の展開に引き込まれる 主人公3人に重ねて見る人生
それにしても39歳とは、区切りをつけたくなるものらしい。がむしゃらに働いてきたミジョは開業資金のローン完済を機に、アメリカに1年間のリフレッシュ休暇を過ごす計画を立てている。チャニョンは“タバコと男”を断とうとしている最中だ。リフレッシュ休暇の前にして運命みたいにキム・ソヌ(ヨン・ウジン)と出会ったミジョ、30代を捧げた恋に踏ん切りをつけようと動き始めたチャニョン、近所のレストランシェフであるパク・ヒョンジュン(イ・テファン)にときめいたジュヒ。ああでもない、こうでもないと言い合う日々が続くと思っていたのに.......。チャニョンがステージ4と言い渡される病気だなんて。
チャニョンの病状を聞いたミジョは、ジンソクに「あなたのせいだ」と責め立てる。しかし、ミジョが本当に責めたかったのは自分自身だ。同時に「私のせいだ」と漏れた言葉の方が重くのしかかる。車のドアを開けてもらっても「自分でできるのに」と言ったミジュは、これからは何でも一人でするのではなく、誰かのあたたかい手を取ることで、どれだけ救われるかを知ることだろう。
今までミジョがチャニョンに口うるさく言っていたのは、チャニョンに対する罪悪感からだったのかもしれない。チャニョンは、そんなミジョの気持ちも分かっていた。ミジョが薬がないと眠れないことを知った時の、胸が張り裂けそうなチャニョンの表情が思い浮かばれる。チャニョンは今のミジョと同じように「こんなにそばにいたのに気づいてあげられなかった」と後悔したはずだから。
オープニングではバケットリストが映り込む。恐らく、これからチャニョンが一つひとつ達成させていくものだろう。何度も決意が揺らいでいたチャニョンは、本当の再スタートを切るのかもしれない。3人が過ごしてきた日々を大切な存在を愛するかのように、私たちも彼女たちの思いを大事にしていきたい。
■配信情報
『39歳』
Netflixにて独占配信中(写真はJTBCより)