『その年、私たちは』ロスに捧げたい! エモさを味わい尽くすロマンス韓国ドラマ3選
洗練された演出とOST、感性的な表現で綴る名台詞の数々、視聴者の青春と共感を呼び起こすストーリー。『その年、私たちは』は、一言で言えばとにかく“エモい”作品だった。大きな事件が起こるわけではないが、優しさで包まれた繊細な世界観に、抜け出せないほどにどっぷりハマった人も多かったのではないだろうか。本記事ではそんな『その年、私たちは』ロスたちに捧げるロマンス韓国ドラマ厳選3作品を紹介したい。
『ブラームスは好きですか?』
夢と現実の境界に立ったクラシック音楽学生たちの、揺らぐ夢と愛を描いた本作は、繊細なロマンスドラマだ。親しい仲間だったロベルト・シューマンの妻クララに一生片思いしたヨハネス・ブラームスをモチーフにし、世界的に活躍する天才ピアニストのジュニョン(キム・ミンジェ)と努力家のヴァイオリニストのソンア(パク・ウンビン)、親友の恋人を愛してしまった2人が音楽を通して出逢い、切ない恋愛模様を展開していく。
ヒロインは、2021年日本でも話題となった『恋慕』のパク・ウンビン。『恋慕』をはじめ、『ストーブリーグ』など男前な役を演じることが多かった彼女が、心機一転ピュアで繊細なヒロインを演じている。そしてキム・ミンジェ演じるジュニョンが、従来の韓ドラ男性主人公にはいなかったありがちなキャラでないのも、心をくすぐるポイントだ。物静かで知的、恋愛不器用な草食系と思いきや、ふいに男気と色気を出してくる。『その年、私たちは』で友情のため恋心を隠し続けるジウンを演じたキム・ソンチョルが、本作でも愛と友情の間で揺れるチェリストを演じているのも見逃せない。
『ある春の夜に』
春の夜は天気がきまぐれで読めない。冬の冷たい空気が残り、突然雨が降ったり強風が吹き荒れたりもする。それでも人々は暖かい春の夜を待ち侘びる。暖かい愛を待つように。『ある春の夜に』は、そんな春の夜を背景に、淡々と日々を過ごしていた図書館司書のジョンイン(ハン・ジミン)と、シングルファーザーの薬剤師ジホ(チョン・ヘイン)が偶然出会い、恋に落ちる過程を描いたロマンスドラマだ。4年間交際する恋人とは愛と情熱はすっかり冷め、マンネリ気味のジョンインは、ジホとの出会いで心が揺れはじめ、愛の意味と結婚について考えるようになる。
大ヒット作『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』に続き、脚本のキム・ウンと監督のアン・パンソクが再びタッグを組んだ本作は、ジョンインとジホに近づきたくとも近づけない、触れたくとも触れられない、そのもどかしい時間が流れていく。他人の目によく見せるための形式的な恋愛ではなく、一緒にいると自然と笑みが溢れてしまい、心が温まるようなそんな恋愛の心地よさ。彼らの現実的な恋愛は過去に経験した、あるいはいつか体験する私たちの話のようだ。