林遣都に翻弄されっぱなしの『愛しい嘘』 深まる雨宮秀一の“中野幸”説 

『愛しい嘘』深まる秀一の“中野幸”説

 そんな不安をよそに、中野が暮らしていた形跡を目の当たりにして罪の重さを実感した玲子はあることを決意する。それは弁護士になることを勧めてくれた恩師の田村に真実を話すことだった。時効はすでに過ぎているため、自分なりの罰を科す玲子に田村は「お前は僕の自慢の生徒だよ」と微笑む。玲子はずっとそんな優しい田村に好意を抱いており、密かに綴ったラブレターをタイムカプセルに埋めていた。誰よりもタイムカプセルを必死で探す玲子の不審な行動も、そのラブレターを他の人に見つかっては困るからだった。

 14年の空白期間が少し埋まるように、普段とは違う玲子の動揺した姿を見ることができて嬉しそうな望緒。しかし、その夜、望緒は背筋が凍るような出来事に遭遇する。2日連続で立ち寄った秀一の自宅に正が侵入したのだ。

 望緒がすぐさま警察に通報したおかげでことなきを得たが、またもや正は逃亡。命の危機に瀕した二人は初めて身体で互いの大切さを確かめ合い、翌日には秀一が施設に入所している母・サユリ(高橋ひとみ)に望緒を彼女として紹介した。サユリは快く望緒を歓迎するが、秀一が席を外した途端に顔色を変えて「逃げなさい、あなたも殺されるわよ」と忠告。一方その頃、玲子は秀一の身辺調査を依頼していた同僚から衝撃の事実を聞かされる。秀一には昔付き合っていた恋人に暴力を振るい、傷害罪での逮捕歴があるというのだ。

 望緒にとっても視聴者にとっても信じたくないことだが、改めて秀一の黒幕説が濃厚になってきた。鍵となるのは今回、田村の証言で明らかになった「両親から暴力を受けていた」という中野の過去だろう。以前秀一がDV被害者の心情を自分ごとのように語っていたこと、また中野の背中には無数の傷があったというが、望緒と一夜を共にした翌朝に秀一の背中が見えなかったことから、秀一の正体は“中野幸”ではないかという疑惑が拭えない。秀一の寝顔に望緒が違和感を覚えたのも、うろ覚えだった中野の顔を写真ではっきりと見たからではないだろうか。ドラマもそろそろ折り返しとなるが、林遣都が演じる多くの謎を秘めた雨宮秀一に翻弄される日々はまだまだ続きそうだ。

■放送情報
『愛しい嘘~優しい闇~』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15放送
出演:波瑠、林遣都、溝端淳平、本仮屋ユイカ、黒川智花、松村沙友理、新川優愛、徳重聡
原作:愛本みずほ『愛しい噓 優しい闇』
脚本:丑尾健太郎ほか
プロデューサー :大江達樹(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山本喜彦(MMJ)、小路美智子(MMJ)
演出:樹下直美ほか
音楽:横山克
制作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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