本郷奏多演じる文四郎がひなたの心に火をつける? 『カムカムエヴリバディ』男性陣の魅力

本郷奏多登場の『カムカム』、男性陣の魅力

 その道中、るいと錠一郎の間に生まれたひなたは太陽のような女の子。とにかく時代劇が大好きで、いつも周囲を明るく照らしている。かたや、こうと決めたら曲げない性格の安子やるいとは少し違って地道な努力が苦手で何事も途中で投げ出してしまう一面も。そんな自分に嫌気が差し、将来に悩むひなたの前に現れたのが文四郎だ。るいに代わり店先に立つひなたに、文四郎は訝しげな顔で「娘?」と問う。第72話では回転焼き屋の娘なのに回転焼きが焼けないひなたのことを馬鹿にするようだが、正直、稔や錠一郎に感じたことのない“嫌な奴”という第一印象を文四郎には持つ。

 すでに発表されているように、文四郎は時代劇に憧れて京都にやってきた若き大部屋俳優。映画の世界に何かと縁のあるひなたは、きっと文四郎と再び出会うことになるだろう。また気になるのは「上下関係が厳しい撮影所の男社会になじめずにいる」という紹介文だ。ご存知の通り、ひなたは「夫が大黒柱として働き、女が家事と子育てを担う」という当時“普通”とされていた家庭で育った子どもではない。錠一郎はいつも家にいるし、るいはいつも家事と仕事に追われている。そのことで揶揄われたこともあったひなただったが、そんな家庭で育ったからこそ、固定観念にとらわれず「侍になる」という志を抱くことができた。文四郎が男社会の中で揉まれているのだとしたら、新しい価値観をもって自分の世界に飛び込んでくるひなたの存在はきっと支えになるはずだ。一方で生意気なほど芯が強い文四郎は、ひなたの心にも火をつける。

 “ひなたの道”は誰かに与えられるものではなく、“心配事は玄関に置いて”自らの足で見つけにいくもの。安子と稔、るいと錠一郎がそう証明してくれたように、志を同じくするひなたと文四郎はライバルのような関係で未来を切り拓いていくだろう。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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