『カムカム』川栄李奈のひなたはTHE愛されヒロイン 安子&るいと同じ“店番中の出会い”も

川栄李奈のひなたはTHE愛されヒロイン

 ついに本格的に三代目ヒロイン・川栄李奈が登場し、はじまったひなた編。『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第71話は、高校3年生になったひなたの姿が描れた。

 舞台は1983年。先週に引き続き、「赤いスイートピー」などラジオから流れる音楽や人気テレビ番組で時代を現す演出が続く中、お馴染みのキャラクターも皆一新されて情報量がとにかく多い。同級生の一恵は三浦透子、小夜子を新川優愛、そして近所のガキ大将だった吉之丞を徳永ゆうきが演じる。

 春から小学生になる弟・桃太郎(野崎春)は野球少年に成長していて、ここでようやく錠一郎(オダギリジョー)が毎日河原でぼんやりと少年たちの野球を見守っていた(教わっていた)ことが役に立ったのかとホッとさせられる。多くのことが変わって新鮮さもあるが、変わらないものもある。新津ちせからバトンを受け取った川栄は、本当に彼女が成長した姿といっても過言ではないほどの説得力で、ひなた像を好演している。話し方に仕草、何一つ変わっていなくて「ああ、ひなたは相変わらずなんだな」と感じさせるのがまた、愛されヒロインらしくて良い。そんな彼女が正式に三代目ヒロインとしてはじまったひなた編は、初っ端から人生の帰路に立つ若者の悩みを描く。

 一恵(三浦透子)も小夜子(新川優愛)も進学しようとしていて、特に一恵と吉之丞(徳永ゆうき)は親の跡を継がずに自分自身で将来を切り開いていこうと考えている。第70話でひなたが「なんでうち、こうなの?」とるい(深津絵里)に気持ちをぶつけていた姿が印象的だった。夏休みの宿題も、英語会話の勉強も、結局やろうと思ってもやらずに中途半端。朝にも弱い。先述の“相変わらずさ”がこういったところにも反映されているのであれば、彼女が将来を悩むのも無理はない。その時々で楽しいことに夢中になって、ボーッとしていてもよかった子供時代を卒業せざるを得ないのだ。

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