川栄李奈、『カムカム』ひなたは運命の役柄に 上白石萌音&深津絵里からの継承に期待

川栄李奈、『カムカム』ひなたは運命の役柄に

 3人のヒロイン(上白石萌音・深津絵里・川栄李奈)が、母から娘へとバトンをつなぐ三世代100年のファミリーストーリーを描いた、『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)。いよいよ18歳になった大月ひなた役として、三代目ヒロイン・川栄李奈が登場する。3人のヒロインという朝ドラ史上初の試みのアンカーを務める川栄は、どんな活躍を見せていくのか。

 1965年の春に回転焼き店を営むるい(深津絵里)と夫の大月錠一郎(オダギリジョー)の間に生まれたひなたは、錠一郎の影響により時代劇が大好きで、侍に憧れている女の子。やる気になるとがぜん燃えるが、ラジオ英語講座など地道な努力が苦手で三日坊主、何をやってもうまくいかず挫折の繰り返し。とはいえ、祖母・安子(上白石萌音)のような戦争や、母・るいのように過去の傷を抱えるわけでもなく、一家団欒でドリフを楽しみ、キャンディーズなどの流行歌を口ずさむ、まるで『ちびまる子ちゃん』のような当時の普通の女の子として育つ。

 2015年、20歳の時に「私の夢は女優さんになることです」と宣言してAKBを卒業した川栄。それ以降、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』や『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、以下『3年A組』)、NHK大河ドラマには『いだてん~東京オリムピック噺~』と『青天を衝け』の2本に出演するなど、俳優として着実にステップアップし、若手の中でも名バイプレイヤーとしての確固たる地位を築いている。

 役者としては良い意味で素朴さがあるのイメージで、どんな役柄でも吸収して自分の色にし、それを自然な演技で魅せられるのが川栄の強み。川栄を起用した多くの監督が言うことは、要求を即体現できるセンスの良さ。かつてのインタビューで語っていた“無個性”だというコンプレックスが、今や最大の武器となっている。

 アイドル時代はおバカキャラとして人気だったが、俳優に転身してからは本来の性格であるクールな存在感で役に挑み、2016年に出演した同じくNHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』では、ヒロイン・小橋常子(高畑充希)が居候する仕出し屋「森田屋」のひとり娘・富江を演じ、女の子の純粋な気持ちが伝わる、自然体で感情を胸に秘めたしっかり者の演技が高い評価を得た。

 『3年A組』では、クラスの中心的な人物で、嫉妬心から中傷していく立場となる嫌われ役を演じ、胸の内を明かす時の、怒り、嫉妬、悲しみなどの様々な感情を吐露していく、そのリアリティと迫力のある演技が話題となった。単に感情を表に出す演技ではなく、こういう状況なら人はこういうリアクションするだろうと思わせる、理にかなった演技ができるところが川栄の特徴だろう。最近は実生活で母親になったからなのか、優しい役も増えている印象だ。

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