『真犯人フラグ』佐野勇斗演じる一星の真実 協力者はやはり本木の可能性が濃厚?

『真犯人フラグ』佐野勇斗演じる一星の真実

 真帆(宮沢りえ)と光莉(原菜乃華)と篤斗(小林優仁)。ひとつの事件に思われた3人の失踪が別々のものであったことがわかり、一星(佐野勇斗)は光莉を助ける代わりに本木(生駒里奈)にどこかへ連れて行かれてしまい、瑞穂(芳根京子)は茉莉奈(林田岬優)と密会。いろいろなことが明らかになっていく反面、回を重ねるごとに謎を深めていく『真犯人フラグ 真相編』(日本テレビ系)は、2月6日放送の第15話でひとつの“真相”が語られる。しかしそれは同時に、また新たな疑問を生むことにもなるのである。

 無事に帰ってきた光莉の事情聴取に、阿久津(渋川清彦)たちがやってくる。凌介(西島秀俊)の立ち会いのもと、光莉が話しはじめた失踪の一部始終。それは篤斗が凌介の子供ではないことを真帆が朋子(桜井ユキ)に話しているのを聞いてしまい、相談に乗ってくれた一星と仕組んだ狂言誘拐であったということ。しかし年末ぐらいに突然やってきた謎の女に誘拐されてしまい、監禁されていたということ。それを知った河村(田中哲司)は一星がずっと自分たちを騙していたことに激昂。そして辻褄の合わない部分から、一星には光莉も知らない女性の協力者がいるのではないかと考えるのである。

 劇中で河村が指摘した通り、第2話のラストで発見されたローファーを埋めた女は誰かということと、第3話でカップルアプリの位置情報をたどって辿り着いたトンネルで発見された真帆の指輪はどこからきたのか。ローファーを埋めたのも光莉のスマホをトンネルに持って行ったのも“一星の協力者”であることは間違いなく、仮にその人物が真帆の指輪を捨てているならば、真帆を誘拐した(あるいは匿っている)人物or真帆本人ということになる。とはいえ母親から離れようとした光莉のために狂言誘拐を仕組んだ一星が、真帆を協力者にする可能性は薄く、だとすればあの現場にいた誰かが真帆と光莉が一緒にいなくなったと見せかけようとしたと考えることができようか。そうなると、今度は河村が怪しく見える。

 また“一星の協力者”が誰であるのか。やはり可能性としては本木が一番ありえそうではあるが、プロキシマの社員たちが語るように彼女が一星のストーカーであるならば、ストーカーを協力者に仕立て上げるという構図は『あなたの番です』(日本テレビ系)の黒島(西野七瀬)と内山(大内田悠平)の関係と重なってしまいワンパターンである。とはいえ、第9話で「至上の時」の作戦会議で林(深水元基)の協力者が婚約者の茉莉奈であると見立て、外堀を埋めようという話をした直後に本木が茉莉奈に接触していたり、第11話で一星が林の車の行方をSNSで呼びかけ、その時に見つけた投稿(これは一星の投稿よりも前に投稿されているものだが)は、おそらく本木が金網越しに撮影したものであったりと、辻褄が合ってしまう。何はともあれこれまでの本木の、他の登場人物たちと交わらない奇怪な行動の原理が一星であるとわかることは大きい。

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