『その年、私たちは』名作映画と重なる内容に注目 ヨンスとウン、ジウンの今後を見守る

『その年、私たちは』名作映画に重なる内容

 数々の映画名が主題とされて話題を呼んでいるNetflix配信中の韓国ドラマ『その年、私たちは』。名作も多いので、内容を重ねてドラマを楽しんだ人もいたのではないだろうか。第13話、第14話では、題名にも触れていきたい。

 幸せすぎて怖いとはよく言ったものだ。だからこそ、確信のない情報や噂に惑わされ、もっと上手くいくための努力が空回りしてしまう。いつもと違う服装で、いつもと違うリアクションで、いつもの自分を押さえて新しい一面を見せようと試みたクク・ヨンス(キム・ダミ)のように。しかしチェ・ウン(チェ・ウシク)は、何をしだすか、何を言い出すもかもわからないヨンスに振り回されて恋をした。予想不可能な彼女を愛しく思い「死ぬまで違う小言を言って」と望むウン。同じ思いをしたくない者、同じ過ちを犯したくない者に共通するのは“同じ過去を繰り返さない”である。

 キム・ジウン(キム・ソンチョル)は、自分の気持ちにまた蓋をして仕事に没頭していた。これが“辛いことに慣れてくる”ジウンの姿で、今までもこうやって乗り過ごしてきたかと思うとため息をつきながら見つめてしまうくらいに痛ましい。会社の編集室はすっかりジウンのパーソナルスペースと化してしまった。心のシャッターを完全に締め切り、誰もが手前で退散していく中、ガラガラと軽々と開けて入ってきたのはヨンスだった。一番避けたいのに避けられない人。目も合わせられず動揺してしまうくらいまだ好きな人。大きく変ったことばかりなのに、変わりはないと近況を伝え合う二人の距離感は、もうこれ以上縮まらない。

 編集中の映像を見て「こんな表情でウンを見てたんだ」と言うヨンスから、ジウンはヨンスの視線を追った内容を制作しているのだろう。ジウンの結末は、『ラブ・アクチュアリー』のように名場面になることはないかもしれない。それに、仮編集のまま終わってしまうこともありえる。これまでのように辛いまま片思いを続けるのか、終わらせるのかわからないのがドキュメンタリーでありジウンの人生なのだから。

 一方、NJ(ノ・ジョンウィ)は、ウンではなく今はジウンの言葉に励まされている。片思い同士と括れば同志ではあるが、二人はどことなくものの感じ方が似ているところがある。一番の違いは、NJは好きな人に気持ちを伝え、ジウンは思いを伝えない。チョン・チェラン(チョン・へウォン)は、ジウンに気づいてもらえなくても、孤独なジウンのそばに居続けている。いろんな愛の形がここには存在しているのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる