『その年、私たちは』名作映画と重なる内容に注目 ヨンスとウン、ジウンの今後を見守る
さて、第14話では過去と現在の対比が描かれていた。イ・ソリ(パク・ジンジュ)の前に突然現れた元カレのジンソプ(カン・ギドゥン)は、お金を借りるためにソリのもとを訪れた最低最悪な男だ。そんなことは知らないソリだったが、元カレとソリの縁を切ったのはク・ウノ(アン・ドング)。年下は絶対に好きにならないソリの心は確実に動いている。
父親が欲しがっていた釣ざお代を渡し、お小遣いをくれるまで成長した息子のウンをおぶって嬉しがる親子の微笑ましい姿。実の父親に捨てられた辛い過去は消せないけれど、ウンにはあたたかすぎる両親に愛されている今がある。
そして、子どもの頃の思い出に縛れたままだったヨンスの目の前にはウンがいる。あの頃に鏡の前で流した涙を拭いてくれるだろうし、「僕の方がもっと愛している」とそっと言い返してくれるだろう。ヨンスは別れた理由を話さなかったけれど、ウンにとってなぜ別れたかは、もう重要ではない。どうしたら別れないか、明日も明後日もこの先もずっとヨンスと一緒にいる方法を探し出すだろう。
残酷な現実で、自分の痛みを犠牲にしても大切な人の人生が美しくあるように願った『ライフ・イズ・ビューティフル』。自分の不幸までウンが愛する理由はないと言ったヨンス。ハルモニ(ヨンスの祖母)のポケットから施設案内が出てきたのも同じことだろう。それでも、彼らは過去を乗り越えて、今この瞬間に大切な人の隣にいられる選択をしている。今日という日が、人生が素晴らしいものになるようにと。
残り2話となり、ウンとジウンの前に現れた人物たち。ウンの周りをうろつく人物ははっきりと映らなかったが、もしかしたら......という思いがよぎる。それから、ドキュメンタリーを撮ってほしいと申し出たジウンの母親は余命わずかだそうだ。ジウンが母親への感情と向き合う時がやってきた。親子関係を通して何が描かれるのか丁寧に汲み取っていきたい。さらに、資料が見え隠れしたウンの留学により、ヨンスと離れ離れになる可能性もある。それでも、二人の歩むべき道は変わらないと信じている。
■配信情報
『その年、私たちは』
Netflixにて独占配信中
(写真はSBS公式サイトより)