『不可殺』明らかになった3つの新事実 複雑なウルテとホヨルの関係性を読み解く

『不可殺』ついに明かされたウルテの過去

 千年前の出来事が少しずつ映し出され、新たな因縁に驚かされたNetflix配信中の韓国ドラマ『不可殺』第9話と第10話。タン・ファル(イ・ジヌク)、オク・ウルテ(イ・ジュン)、ミン・サンウン(クォン・ナラ)の三角関係を追っていたが、どうやら3人の話だけでは片づけられなそうだ。

 今回、明らかになった3つの事実を整理したい。まずは、千年前、ウルテは人間だった。しかも、クォン・ホヨル(チョン・ジニョン)の長男として生まれたウルテは、ファルとホヨルが出会った600年前よりも先に、ホヨルと親子関係にあったのだ。しかし、ウルテの体が弱く肺病を患っていたため、ホヨルは後継者に次男のウルソを選んだ。結果、ウルテは弟のウルソを殺害してしまう。一方、サンウンの前世はプルガサルだった。そして弟を殺害し、他の人に襲いかかろうとしたウルテを止めたのは、確かにプルガサルの姿をしていたサンウン。人間を襲うのではなく、ファルを救った時のようにむしろ人間を助けているようなのである。最後に、ナム・ドユン(キム・ウソク)は、やはりアチャン(パク・ジュファン)の転生としてファルの元にやってきた。その事実が発覚する前のシーンになるが、「追い出さないで」とファルの後を追いかけるドユンと、手探りでファルを探していたアチャンを自然に重ねてしまい、その手を振り払ってしまったファルを涙なしには観ていられなかった。

 ホヨルの父親が鬼物だったことが、父を殺したプルガサルがウルテだという予感を裏付ける。恐らく、鬼物退治に尽力を注いできたホヨルは、サンウンがファルから継いだ業報のように、転生しても鬼物に襲われる可能性が高い。ホヨルが父親だと知ったウルテは、鬼物から助けるために現れたのだ。そこからウルテには弟を後継者にしたホヨルに対し、恨みではなく、認めてもらいたいという思いが強いように見える。ファルがプルガサルであることを伝えたのも、自分の味方になってほしいために気を引こうとしたのではないだろうか。秘書であり鬼物の頭抑神を襲ったのは、これ以上ホヨルに危害を加えないようにするためだろう。それにもかかわらず、ファルを選ぶかのように一緒に去ってしまった3人を後に、ウルテの哀しみが笑いに変わる。

 ウルテは一貫として、ファルの家族を殺したのはサンウンだと主張している。しかしながら、キム・ゴブン(サンウンの前世の妹)の発言や頭抑神がドユンに吹き込んだ話からも、殺した犯人はサンウンではなくウルテである。まるで、千年前、弟のウルソを殺した上にプルガサルの仕業にしたウルテが今も昔も変わらないことを象徴しているようだ。とはいえ、ドユンを刺してしまうほど、ファルに知られたくない訳とは何だろうか。サンウンの魂を奪えるのはファルしかおらず、「黒い穴の呪い」から解放させたいという理由がこれまでの流れではあったが、もしかしたら、ファルがサンウンの魂を消滅させることに意味があるのかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる