『ムーンナイト』はMCUの新たな世界を切り開く? 原作から内容を考察

 1月17日(日本時間18日)、『ムーンナイト』の予告編がリリースされました。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)×ディズニープラスの最新ドラマシリーズです。3月30日から配信されます。

ムーンナイト

 本作の主演はオスカー・アイザック! 『スター・ウォーズ』続編三部作のポー・ダメロンであり、『X-MEN:アポカリプス』のアポカリプスであり、『スパイダーマン:スパイダーバース』のスパイダーマン2099の声の出演も果たしています。(この秋には『スパイダーバース』の続編も公開)。最近だと『DUNE/デューン 砂の惑星』も。ジャンル映画ファンにとっても大人気の彼がMCUに参戦です! これだけでも期待大ですが、予告を見る限りかなりミステリアスというかホラーっぽいですよね。

 果たしてムーンナイトとはどういうキャラなのか? ムーンナイトのナイトは、NIGHT=夜ではなくKNIGHT=騎士の方です。つまり“月の騎士”、月にまつわるヒーローです。ポスタービジュアルでもフィーチャーされているのは三日月をモチーフにした武器です。もともとマーベルのホラー系ヒーローコミックで狼男が主人公の『ワーウルフ・バイ・ナイト』で1975年にデビューしました。主人公の狼男をつかまえるために雇われた傭兵のような設定で登場。しかしこのキャラクターに可能性を感じたクリエイターによって、1978年に彼を主役にした物語が発表されます。こうして、マーベルヒーローの一人になりました。

マーベル・スタジオ『ムーンナイト』|予告編|Disney+ (ディズニープラス)

 その正体はマーク・スペクターという男。傭兵でしたがエジプトでの任務中に死にかけたところエジプトの月の神・コンシューの力を得て(神と契約して)一命をとりとめ超人となります。もともと傭兵だったので戦闘能力はありますが、さらに超人的な身体能力を身に付けます。月の神のご加護で戦っているので、当然月が出ている時の方が強い。したがって夜のヒーローです。

 何より、マークがユニークなのは多重人格者であること。もともと自分を含め3つの人格を持っていたし、また後のコミックではキャプテン・アメリカ、ウルヴァリン、スパイダーマン(の人格)が彼の心の友=脳内の友としてすみついて、彼らのスキルが憑依して戦うみたいな展開もありました。

 ムーンナイトはビジュアルもかっこいいので人気があり、ファンの中でもMCUに登場して欲しいという声はありました。僕がムーンナイトが盛り上がっているなと感じたのは、2019年のサンディエゴ・コミコン。会場限定の人気フィギュアとしてムーンナイトが売られていましたから。

 というわけでついにMCUデビューです。今回の予告では、オスカー・アイザック演じる主人公が、睡眠障害、夢と現実の区別がつかないというようなことを言っています。また頭の中で声がする、と。原作同様、メンタルの問題を抱えたキャラであることがわかります。そしてロンドンの博物館=エジプトにまつわる展示のあるところで“スティーヴン”として働いている。そして隠されていた携帯電話を見つけだし、自分がマークであると知る? 原作の設定から照らし合わせると、マークはなんらかの理由でスティーヴンという人格で暮らしていた。しかし自分がマークであると知った時から、事件が起こっていきます。(このあたりのくだり、ちょっと『マトリックス』っぽいですね)。

 そして不思議な現象が発生し、彼は白ずくめのムーンナイトに変身します。ここで注目したいのが今回のムーンナイト、明らかにエジプトのミイラ男をイメージしています。僕はコミックのムーンナイトを見た時、『月光仮面』を思い出し(笑)、日米の月のヒーローが共に白装束であることが興味深かったのですが、このドラマのムーンナイトはミイラの包帯みたいなものがヴェノムのように彼にとりつきコスチューム化するようです。だから、ヒーローというよりも怪人っぽいイメージ。

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