高橋一生は“なんでもござれ”な俳優 『岸辺露伴』などドラマに収まらない名演づくしの3本

高橋一生は“なんでもござれ”な俳優

 映画、ドラマ、舞台にと、すべての作品で名演を見せた2021年の高橋一生。『るろうに剣心 最終章 The Beginning』での桂小五郎役は、およそ10年にも及ぶ大人気シリーズの集大成に貢献し、『天国と地獄〜サイコな2人〜』(TBS系)では綾瀬はるかとの“入れ替わり劇”を見事に実現させた。そして、坂元裕二の作・演出による朗読劇に参戦した直後、NODA・MAPの『フェイクスピア』で座長を務め、虚構と現実を自在に往還する妙演を披露。さすがは真に優れたプレイヤーだと思い知らされたものである。さらには2020年に引き続き、『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の演技が話題をさらっているところだ。本稿では、そんな高橋の魅力をさらに深堀りできるオススメ映画3本を紹介したい。

『嘘を愛する女』(2018年)

 高橋といえば子役から俳優業をスタートさせた、非常にキャリアの長い存在のため、ここ数年の出演作に絞りたい。そこでパッと思い浮かぶのが、長澤まさみと共演した『嘘を愛する女』である。同作は、若手クリエイターの発掘を目的とした企画コンペ「TSUTAYA CREATERS’PROGRAM FILM 2015」のグランプリ作品を映画化したもの。高橋が演じているのは、長澤演じる主人公の最愛の人だ。ある日この男がクモ膜下出血で倒れ、そこで名前も職業もすべてが嘘だと判明。主人公の女性は、探偵とともに真相に迫っていく。緻密な脚本と演技巧者らによる上質なラブサスペンスである本作は、真相解明のために奔走する長澤の好演あってこそのものでもあるが、“嘘”と“本当”を絶妙な塩梅でチラつかせる高橋の演技から目が離せない作品でもある。

『九月の恋と出会うまで』(2019年)

 子役時代から30年以上ものキャリアを誇り、膨大な数のキャラクターを演じてきた高橋は、“なんでもござれ”な俳優である。彼にかかればトリッキーな役どころもたちまちリアリティを獲得する。そういうこともあってか、高橋は“風変わりな人物”を演じることが多い。そんな中でも個人的に推したいのが、『九月の恋と出会うまで』で演じている小説家志望の青年の役だ。本作は川口春奈とのダブル主演作であり、思いがけず関わり合うことになった男女によるピュアなラブストーリー。志織(川口春奈)が引越した部屋で、彼女が強盗殺人に遭うところを救うため、“一年後の未来”から危機が迫っていることを告げる誰かの声が聞こえてくる。この怪異の相談を受けた隣人の平野(高橋一生)が、彼女を救うために奔走するのだ。純愛物語ではあるが、SFの要素が加わるために一筋縄ではいかない。やがて恋に落ちた平野が、志織のために奮闘するひたむきさが胸を打つ作品である。



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