【ネタバレあり】『ホークアイ』最終話にファン騒然 2人のキャラ登場が意味すること

『ホークアイ』最終話にファン騒然の理由

※本稿は『ホークアイ』最終話のネタバレを含みます。

 先週、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)×ディズニープラスの『ホークアイ』の最終話が配信されました。その内容もさることながら、劇中登場した2人のキャラについてファンがざわついています。

『ホークアイ』(c)2021 Marvel

 一人はキングピン(ヴィンセント・ドノフリオ)! マーベル・コミックの中でも人気のヴィランの一人です。彼は1967年のスパイダーマンのコミックでデビューしました。ということはもともとスパイダーマンのヴィランなのです。本名はウィルソン・フィスク。NYの裏社会を牛耳る犯罪王です。キングピンとはボウリングの真ん中の5番ピン、そこから転じて中心人物という意味があり、多くの犯罪を裏から操っています。スーパーパワーはもっていませんが、巨漢で怪力、犯罪社会を仕切っている大ボスですから頭脳明晰です。アカデミー賞をとったアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のメインヴィランでしたね。僕もスパイダーマンの翻訳コミックでキングピンを知ったので、スパイダーマンの敵という認識だったのですが、犯罪王という設定ゆえNYの犯罪と戦うデアデビルとの間にも名エピソードが多く、デアデビルの宿敵という印象も強い。

 それが証拠にドラマ『超人ハルク』にデアデビルが登場した際、対決するのはウィルソン・フィスクでした。さらにベン・アフレックの映画版『デアデビル』でもボスキャラとして登場。そしてNetflix『デアデビル』でもキングピンがメインヴィランです。

Netflix『デアデビル』

 今回の『ホークアイ』では単にキングピンが登場しただけではなく、この役をNetflix版同様ヴィンセント・ドノフリオが演じていたことが話題になりました。つまりディズニープラスのMCUドラマとNetflixのマーベルドラマがここでつながったわけです。

 もともとNetflixのマーベルドラマはMCUの世界観とリンクしている(という設定)のですが、ディズニープラスの方がMCUを展開するマーベル・スタジオの製作だったのに対し、Netflixの方はマーベルのテレビ部門が手掛けていました。別部門同士が作っていたため今一つ連携がとれていなかった部分があるのです(映画のスピンオフ的にスタートしたドラマ『エージェント・オブ・シールド』も、マーベル・スタジオではなくマーベルのテレビ部門が主導だったから、シーズン後半から映画を離れ、独自路線になっていったのでしょうか?)。

Netflix『デアデビル』

 しかもマーベル・スタジオは、ディズニープラスの方でMCU映画とがっちり連動したドラマシリーズを始めました。なのでNetflixのマーベルドラマは事実上ストップしてしまったのです。

 そのため、今回のようにマーベル・スタジオが手がけるMCUドラマの王道にNetflix版の人
物が登場した意味は大きい。Netflix版に登場したキャラクターたちが同じキャストのまま、これからのMCUで活躍する可能性がかなり高まったからです。実際マーベル・スタジオの社長でMCUの仕掛人であるケヴィン・ファイギは、Netflix『デアデビル』で主人公を演じていたチャーリー・コックスが、デアデビル/マット・マードック役でMCUに登場することを明言しています。Netflix版のファンも多いのでこれは嬉しい。ヴィンセント・ドノフリオ版キングピンがこんなにも早くMCUに登場したので、チャーリー・コックス版デアデビルをMCUで観る日も近いかも。

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