深津絵里、『カムカム』演出陣も信頼を置く作品との向き合い方 絶妙な安子編との繋がり

『カムカム』演出陣も信頼を置く深津絵里

 初代ヒロイン・安子(上白石萌音)編から2代目ヒロイン・るい(深津絵里)へのバトンタッチが描かれた『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第8週。

 制作統括の堀之内礼二郎は深津絵里について次のようにコメントを寄せた。

「ものを作るということに、全神経と想い、エネルギーと時間を使うという姿勢で向き合ってくださっていて、本当に“真摯”という言葉が似合う方です。真面目に見せるという意味ではなく、例えば楽しいシーンであれば、いかに楽しく見せるか、いかに笑ってもらうかということにとことん真剣に向き合われるんです。観る人がどう感じるか、どう心が動くかということを大事に考えてらっしゃって、素晴らしい役者さんであり、エンターテイナーだと思います」

 るい編が始まるなり描かれた勇(村上虹郎)とのキャッチボールシーンも、実際の年齢差は逆転している深津と村上の共演は全く違和感がなく、あくまで“叔父と姪”のやりとりとして自然に受け止められたが、演出の安達もじりはこの試みを“冒険”だったと明かす。

 「本当におふたりの技量があったからこそできたこと」と話し、“朝ドラ”の特性でもある「登場人物の関係性で物語を紡ぎ上げていく」要素がそれを可能にしたと言う。

 そして、るいの中には「勇にだけは迷惑をかけていると感じている」部分があるのではないかとし、るいというキャラクターを「完全に塞ぎ込んでいたり誰に対しても笑わない子ではきっとなく、一見したところ普通に生きているけれどどこかで心の扉を閉じているところがあり、そのガードは相当固いというバランスを、深津さんとも話しながら作っていきました」と教えてくれた。

 村上にとってはるいとのキャッチボールシーンがクランクアップシーンだったようで、最終的には「るいを見守ってきた勇の気持ちに納得感を持って臨んでいた」と堀之内は振り返る。

 また、安達はキャッチボールシーンを岡山の旭川の河原で撮りたいと思い、あのシーンだけを撮るためにロケに行ったと言う。岡山と大阪と京都が舞台となる本作において、「最初から川を大事なモチーフとして象徴的に描きたい」と考えていたようで「川の流れのように人は歩んでいくというようなことをこっそり表現できたらいいなと思っています」と、そのモチーフに込められた想いを明かした。

 安子編からるい編への繋がりという点について意識した点について安達は語る。

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