中村梅雀、時代劇を伝えていくための覚悟 「いいものを作り続けるしかない」

中村梅雀、時代劇を伝えていくための覚悟

これからの時代劇のために

――コロナ禍でエンターテインメントの制作が2年近く止まりましたが、何か思うことはありましたか?

中村:去年(2020年)予定していた舞台が舞台稽古までで中止になってそのダメージは大きかったです。テレビドラマも撮影中止になって、今後どうなっていくのかと深刻に考えました。ただ、やれることをやろうと対応策を講じながら撮影したり、配信に切り替えたりすることも新鮮で、どんなことがあっても臨機応変にニーズに応えていくしかない。臨機応変=役者の仕事と思っています。

――コロナ禍の前から時代劇は存続の危機と言われ、今後どうなっていくのかと心配されていました。これから時代劇はどうなると思いますか?

中村:そんな時、時代劇専門チャンネルは頑張っています。この業界は何かの弾みで突然大ヒットが生まれることがありますから、いいものを作り続けるしかないですよ。そうすれば若い人も時代劇っておもしろいと思ってくれるでしょう。『鬼滅の刃』はいい例ですよね。あれは時代劇ですよね。子供がドハマリしていて、僕も映画館に3回も観に行ったんですが、あんなふうにいろんな要素を混ぜた時代劇があっていいですよね。

――時代劇の魅力とはなんでしょうか。

中村:現代ではできない表現ができることでしょうか。江戸時代って封建社会で自由がないし便利な道具も少なく不便だけれど、だからこそドラマが生まれますよね。例えば、電話がないから、どんなに相手を恋しく思っても、気持ちがなかなか相手に伝わらない。抑圧されたことによって生まれる独特の感情を演じることがおもしろいです。

■放送・公開情報
『殺すな』
2022年1月28日(金)よりイオンシネマにて公開
2022年2月1日(火)19:00〜時代劇専門チャンネルにて放送
出演:中村梅雀、柄本佑、中村玉緒(特別出演)、本田博太郎、安藤サクラ
監督:井上昭
脚本:中村努
音楽:遠藤浩二
原作:藤沢周平『殺すな』(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)
(c)「殺すな」時代劇パートナーズ
公式サイト:https://www.jidaigeki.com/korosuna/

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