柄本佑は誰かを愛するとき、最高に魅力的になる “尾高さん”の虜になってしまう理由

柄本佑は誰かを愛するとき、最高に魅力的になる “尾高さん”の虜になってしまう理由

 『おしゃれイズム』まで! 柄本佑は、3月1日に放送されたトーク番組『おしゃれイズム』(日本テレビ系)でも瞳が少女まんがのように光っていた。要するに照明で目を光らせる撮影テクニックである。たとえば、レフ板の向きを傾け、太陽光を反射させて眼に光を入れるのはカメラアシスタントのお仕事。これがなかなか難しい。ほかに、特殊な照明を使用して光らせるのは主として女性の撮影で駆使される。どんな光を入れるか工夫のしどころ。ハートや星などいろいろある。昔はプロテクだったが、昨今はInstagramやYouTubeで一般人が発信するときのために皆さん、自撮りライトを活用している。決め手は光。

 このテクニックが、柄本がヒロインの元カレ役を演じているドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)ではふんだんに用いられ、ドラマがはじまるやいなや、「柄本佑、イケメン!」とSNSを中心に盛り上がりを見せた。そうしたら、『おしゃれイズム』でもしっかり眼に光が入って、ドラマモードになっていたので恐れ入りました。

 柄本佑が、瞳のなかに光をいっぱいたたえ、照明のせいか眩しそうな表情をして、髪の毛をふわっとさせ、お肌も美肌メイク(血色がよくなってる)、眉、アイラインなどしっかり描いて、口を大きくあけずややウィスパー気味にしゃべり(『花より男子』で花沢類を演じたときの小栗旬的な)、姿勢もちょっとよくして、すっかりイケメンキャラとなり、吉高由里子相手にキュンとするラブシーンを演じている。

 柄本佑演じる尾高由一郎は動物カメラマン。優しい笑顔とスマートな仕草、それがカメラを構えたとき一転、鋭くなるギャップも魅力的。吉高演じる週刊誌記者・真壁ケイトとはかつて同僚であり恋人だったが、いまは別れて尾高は別の女性と結婚し、子供もいる。ところが、ケイトと恋が再燃してしまう。禁じられると燃えるもので、ふたりが遠慮しながら接近していくラブシーンはぞくぞくするものがある。

 映画『火口のふたり』で昔なじみの女性と抑えきれない熱情でひたすら睦み合うシーンの生々しさ、本能というつかみどころのないものを見せつけていた柄本佑は、『知らなくていいコト』でも全力で愛情を表現する。ケイトと車のなかやスタジオ、ラブホテルなど閉ざされた場にふたりきりのときは、本能が破裂しそうに見える。妙に生々しい恋人感に注目が集まった末の第6話、海でケイトにジャケットを着せる場面は秀逸だった。着せる角度とスピードが完璧で、完全に「決めた!」と思ったら、第7話でケイトがスクープの逆恨みで刺されたとき、とどめをさせられそうになったところを、身を挺して助ける場面というダメ押しの一撃。世の女性はもう柄本佑の虜。ここまでくると、もはやビジュアルがどうこうは関係なくなっていて、ただ視る者の心を駆動するのである。

 よく見れば、唇の形もきれいで、まつげも長く、元々背は180センチ以上あって、痩せていて見栄えはいい。とはいえ、はじめてこのドラマのゆるふわイケメン柄本佑を見たとき、柄本佑を知っている誰もが眼をこすったと思う。個性派演技派俳優として認識されてきて、ラブストーリーの相手役という属性とは距離があると誰もが思っていたからだ。

 だがそこは柄本佑。演技職人の才能をふんだんに発揮して、みごとに二枚目に化けている(褒め言葉です)。それを見て私は、弟の柄本時生も、父の柄本明も、性格俳優や怪優の部類かと思うが、やろうと思えば“イケメン”を演じることができるんじゃないだろうかと思ったほどだ。ヘアメイク、照明という技術と、演技の力で、人はある程度美しくなれる。だがやっぱり柄本佑の場合、演技の力に注目したい。

 以前、柄本佑にインタビューしたとき、「『できない』と思ったときこそ絶対チャンスで。それをいかにしてやるのかが演劇の楽しさのはずなんですよね」(ワニブックス「plusact」playact より)と言っていたから、『知らなくていいコト』でもそれをやっているんじゃないだろうか。

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