「上白石萌音さんでなければ成立しなかった」 『カムカム』演出が語る第4週に込めた思い

『カムカム』演出が語る第4週に込めた思い

「安子が崩れ落ちるシーンは“1人だけ残されてしまった”という彼女の想いを表現したいと考えていました。実際に現場に入って、上白石さんの芝居を観たら、その雰囲気や佇まいにカメラが近寄れないほどのオーラがあったんです。そのせいもあって、顔をアップで捉えるような形ではなく、距離を置いたところから彼女を見守るような形の映像にしました。上白石さんは本当に安子になりきって、文字通り全身で表現をしてくださっていたんだなと最後の仕上げの段階でも改めて感じました」

 第20話では、異例の“無音”のシーンが挿入された。このシーンは撮影前から考えていたと安達は語る。

「文字通り、安子が音のない世界に入ってしまったのを表現するために無音にしました。無音は心象風景の中に入り込む力があるので、今回は効果的に使えたのかなと思います」

 たくさんの悲しみが詰まった第4週。しかし、『カムカムエヴリバディ』のひとつのテーマには、“繋がっていくこと、繋げていくこと”がある。安子は亡くなった大切な人たちのを思いをどんな形で繋げていくだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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