城田優は『カムカム』の“第4のヒロイン”? 「語り部として物語を届けていきたい」
毎週月曜日から土曜日まで(土曜日は1週間の振り返り)放送されているNHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。このたび、本作の「語り」を務める城田優よりコメントが寄せられた。
本作は、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く物語。京都・岡山・大阪を舞台に、時代を超えた愛すべきヒロインたちの日常に寄り添っていく。
城田は朝ドラには『純と愛』に出演。今回、「語り」という形での出演にはまた別の思いがあったようで、「シンプルに光栄の一言に尽きます。正直に言えば、今回のオファーのほうがうれしいかもしれません。というのもナレーションは、物語の世界観を創るのに一番重要なパートで、その物語の核となる部分を僕に任せて頂けるのが本当に光栄なことだからです。しかも物語の第1話から最終話まで全編を通して登場します。今回はヒロイン三世代にわたる物語なのでおそらく出番が一番多いのは僕です。これはもう第4のヒロインと言ってもいいのではないでしょうか(笑)」とその喜びを語った。
本作は「英語」が物語の中のひとつのテーマとなっていることもあり、城田の英語の「語り」も随所に挟まれている。
「今回は英語と日本語を織り交ぜたナレーションです。僕はスペイン人と日本人のハーフなのでスペイン語の発音なら直されることはないのですが、英語は10代から興味を持って独学で学んだ言語で決してネイティブというわけではないんです。ヒロインの安子と同じですね。シンプルに英語に触れて興味をもって学び始めて多少日常会話が話せる程度です。英語の発音は本当に難しいのでそこは一番頑張っています。新しい台本を頂いて、英語のナレーションがあるといまだに『わ! 英語がある!』ってなりますね(笑)」
「語り」を行う上では、「ラジオ英語講座」をイメージしていると城田は明かす。
「流暢に抑揚をつけた、完成させた語りというよりは、やはり日本語で言った後にわざわざ同じことを英語で置き換えて言うということに意味があるのではと思っています。ラジオ英語講座は、ラジオで英語を教えることがメインのプログラムですよね。なのでナレーションもその英語の教材の一部であるということを大切にしています。お子様からご年配の方まで“朝ドラ”をご覧になる幅広い層の中には初めて英語に触れる方もいらっしゃるかもしれない。全ての方々に向けてしっかりと耳を傾けていただけるように、語り部として物語を届けていきたいと思っています」
ここまで初代ヒロインとして物語を牽引している安子役の上白石萌音。城田も上白石の演技を絶賛している。
「上白石萌音ちゃんが演じる安子が本当にすばらしいんです。何度も泣かされましたね。彼女が笑っているとこちらも幸せになるし、彼女が悔しそうにしていると『がんばれっ!』と応援したくなります。ドラマを見る人たちにとってなによりも必要なことは、共感することだと僕は思っていますが、安子という女の子は、視聴者の皆さんを置いて行かずに、みんなと同じラインに立っているような気がします。自分の愛する人が守りたかったものや自分の愛する人が好きだったものを心から大切にすることができる人で、自分の家族と好きな人の 家族、そのどちらも平等に愛せる懐の深いヒロインです」
最後に視聴者に向けて、「この物語のなかには希望を持って未来を信じ、前に進んでいく人物たちがたくさん登場します。安子は英単語を毎日ひとつ覚えるごとに、戦地に行った稔に会える日が近づくと信じていました。残念なことにその希望はかなわなかったですが、信じるということが人生ではなによりも大切なんです。いま薄暗い闇の中にいて前に進むエネルギーが必要な方々に、少しでも栄養となるようなものを毎日15分間見ていただくことで蓄えてもら えればと願っています」とメッセージを送った。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK