『ラジハII』が問う“死”への向き合い方 本田翼演じる杏の父・正一の姿から考える

『ラジハII』が問う“死”への向き合い方

 11月15日に放送された『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)第7話は、“死”への向き合い方を描写する。もちろんそれは、医療ドラマである以上避けては通れないテーマであることは言うまでもない。末期がんに侵されながらも残された“生”を謳歌しようとする者がいて、いつ来るかわからない漠然とした死への不安を抱き始める者もいる。そして、この先どう生きるかを強く決心した者の近くには、その決心をすぐに受け入れることができない者も当然のように存在するものだ。

 鏑木(浅野和之)から勤務態度についてクレームがあったことを知らされる悠木(矢野聖人)だったが、愛想を振りまくより正確な検査をするべきだと反発。相変わらず知識を身につけようと、食事もろくに摂らずに勉強に没頭する。一方、唯織(窪田正孝)のもとに杏(本田翼)の父で元院長の正一(佐戸井けん太)が訪ねてくる。正一が見せたのは、かなり進行している膵臓がん患者の画像だった。そんな折、出勤時に突然倒れてしまう悠木。検査でも原因がわからずそのまま入院することに。病室の隣のベッドにいたのは、心筋梗塞で搬送された26歳の今井(戸塚純貴)。彼は末期の精巣がんと診断され、抗がん剤治療でも効果が得られず緩和ケアを受けていたのである。

 シーズン1のクライマックス。うつ病だと思われていた正一に別の病気が隠されているのではないかと考えた唯織は、検査の末に低髄液圧症が原因だと判断する。しかしその直後に正一は意識障害を起こし、慢性硬膜下血腫であることが見つかり、ブラッドパッチという難易度の高い処置を行うことになる。甘春病院にその経験者がいないなか、担当することになった杏は躊躇してしまい、サポートに入っていた唯織が手を貸してそれを成功させる。結果的にそれがきっかけとなり、唯織が医師免許を持っていることが明るみに出ることとなったのだ。

 そして今回のエピソードで、再び正一の検査を行う唯織。それは正一が膵臓がんであることを受け止めきれない杏が、他の病気の可能性に賭けてオーダーを出したものだ。しかし放射線科医として、父が膵臓がんであるという診断を自ら下さなくてはならないことになってしまう。積極的な治療を行わず、最後まで医師でありつづけたいと語る正一が、その経験と知識を活かして悠木の病を見つけ出す終盤。その力強い表情と活き活きした正一の姿からは、今回のテーマであるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)について強く考えさせられる、どこか希望と信念に溢れた“死”への向き合い方を感じずにはいられない。



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