松村北斗、『カムカム』で“憧れの好青年”を体現 ヒロインの初恋相手としての佇まい

『カムカム』松村北斗、憧れの好青年を体現

 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で、ヒロイン・橘安子(上白石萌音)の世界を大きく広げてくれる相手として登場した大学生の雉真稔(松村北斗)。安子の実家でもある和菓子屋「たちばな」の暖簾をくぐって登場するなり彼からこちらに向かって風が吹いてくるかのような爽やかさ、美男子かつ好青年ぶりがもはや異常値だ。

 学生帽に学ラン姿がこの上なく似合いシャンとした立ち姿に、発声の仕方や細かな所作まで、どうしたって滲み出てしまう育ちの良さが、地元で有名な名家・雉真家の跡取り息子としての稔のバックグラウンドを存分に感じさせ、至るところに説得力が宿る。大阪の大学に通い、家業である繊維業を海外に展開させるべく英語を学ぶ志の高さまであるスマートすぎる稔は、様々なことに恵まれているが、そこに加えて溢れんばかりの気さくさもあり、目配せ一つ、声の掛け方、微笑み方一つとっても全くいやらしさがない。実直で誠実な人柄、硬派な様子がそこかしこから立ち上り、誰に対しても分け隔てがないのであろう稔は、14歳の安子のことも必要以上に子ども扱いせず、対等に話しかける。周囲からの期待を一身に背負っているに違いない彼は人格者の風格まで漂わせ、ヒロインの初恋相手として申し分なさすぎるだろう。

 素朴で幸せオーラいっぱいの誰からも愛される安子と周囲から慕われ信頼の厚い好青年・稔の自転車練習の2ショットはあまりに瑞々しく、神々しささえ感じさせられるも、安心感を持って観ていられる。

 驚かされるのは、稔を演じる松村の演じ分けられる役柄の幅広さだ。松村は本作が朝ドラ初出演で、「SixTONES」の一員として活躍するアイドルとしての顔を持つ。彼の演技に注目が集まるきっかけになった『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)での義足の青年・晴人役にしろ、『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)での天才ハッカー・小牧役でも、人懐っこさがありつつどこか掴みどころのない、“陰と陽”が絶妙に共存する難しい役どころを熱演した。公開中の劇場版 『きのう何食べた?』でも、イマドキで無邪気な美容師役を好演中だ。何よりどの役柄もムードメーカーな部分も持ち合わせており、いわゆる今風の若者だったが、本作での稔役ではとにかく第一に硬派さが全面に打ち出されている。それが取ってつけたようなものではなく、全く違和感なく成立させられ作品内で息吹いているのが本当にお見事である。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる