『カムカムエヴリバディ』に刻み込まれる“街の息吹” スケール感を作る撮影裏の努力とは?

『カムカム』スケール感の理由

 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』が第1週を終えた。昭和・平成・令和の時代をラジオ英語講座とともに歩んだ3世代のヒロインにフォーカスすることで女性たちの日常を描く本作。舞台が岡山、大阪、京都と移り変わっていくその背景にも注目したい。

 第1週では岡山で戦前から戦後にかけての激動の時代を生きる初代ヒロイン・安子を上白石萌音が演じている。安子の実家である御菓子司「たちばな」から、「たちばな」の位置する商店街の様子、雉真家、安子が自転車を練習する思い出の場所、そして喫茶店「Dippermouth Blues」など、作品序盤からロケーションの多さがスケール感にも繋がっている『カムカムエヴリバディ』。これだけしっかりと場所にまでこだわるとなると、相当な労力がいるのではないだろうか。

 こうした撮影の舞台裏について演出の安達もじりは「おそらく視聴者のみなさんが感じられた印象よりは、ロケシーンは少ないのではないかと。岡山だったら旭川沿いなど、どこか一つ印象的な場所を使わせて頂き、効果的に見せてさえいければ、大阪、京都とそれぞれの街が持つ匂いがちゃんと表現できるのではと思っています」と語る。それぞれの街の息吹が吹き込まれた映像が待ち遠しい。

 加えて、コロナ禍での撮影には苦労も多々あったようだ。同じNHKの作品でもある大河ドラマ『青天を衝け』がコロナの事情でパリでのロケを断念したこともあり、本作でもロケーション撮影についての懸念があったとのこと。

 これについて制作統括の堀之内礼二郎は「今回の緊急事態宣言が出そうという話が出る度に、いつ出るのか、どこに出るのか、いつ終わるのかということをずっと注視していました。ちょうど第4波の時期に岡山ロケを予定していたので、当初の予定スケジュールからさらに日程を遅らせて撮影するなどの調整をせざるを得ませんでした」と、苦労を明かす。

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