『鬼滅の刃』無限列車編、炭治郎が自害を決意!? 魘夢によって誘われた“幸せ”な夢
「幸せでありたい」「楽しく生きたい」そう願うのは人の本能ではないだろうか。TVアニメ『鬼滅の刃』無限列車編の第3話では、その“幸せ”から抜け出すために主人公・竈門炭治郎が驚異の決断を下す姿が描かれた。
本作は、2020年10月に公開され、興行収入400憶円を突破した大ヒット劇場版『「鬼滅の刃」無限列車編』に約70カットの新作追加映像を追加しTVアニメ化したもの。第3話では、鬼舞辻無惨配下の精鋭、「下弦の壱」眠り鬼・魘夢(えんむ)の血鬼術によって誘われた夢の中でのエピソードが描かれた。
炭治郎が鬼に殺されたはずの家族と再会している一方、我妻善逸はまるで桃源郷のような場所で竈門禰豆子とデートしている夢を見ていた。禰豆子は鬼になっておらず、普通に話せる人間の状態。さらに自分自身は禰豆子を抱えて川も崖もヒョイヒョイ飛び越える頼もしい姿で描かれており、何とも都合の良い、お調子者の善逸らしい夢となっていた。
そして嘴平伊之助に至っては、まさに“伊之助ワールド”全開! 炭治郎はタヌキ、善逸はネズミ、禰豆子はウサギとなり、伊之助のことを「親分」として洞窟のような場所を冒険している。「伊之助ってみんなのことこんなふうに見えているんだ(笑)」と思えるような夢だが、一緒に敵に立ち向かっている様子を見ると、人を信じることを知らなかった伊之助が、これまでの戦いを経て3人のことを信頼できる人物だと認めたことが伺える。
対照的だったのは、煉獄杏寿郎の夢だ。3人が“幸せ”を夢見る中で、煉獄さんは父に炎柱になったことを報告し、「くだらん。どうでもいい。どうせ大したものにはなれない」と吐き捨てられた時のことを振り返っていた。その後、弟・千寿郎に「父には喜んでもらえましたか?」と聞かれると、煉獄さんは「喜んではくれなかった」と正直に伝える。しかし、「そんなことで俺の情熱はなくならない。心の炎が消えることはない。決して挫けることはない」と“心の強さ”を言葉にし、涙を流す千寿郎にも「どんな道を歩んでも、お前は立派な人間になる」と励ましを送るのだった。
魘夢が見せる夢の中には「無意識の領域」があり、そこには“精神の核”が存在。それを破壊されると、夢の持ち主は廃人となってしまう。煉獄さんの無意識の領域は炎が燃え盛る空間となっており、核もまるで炎のように赤い。それを破壊しようとした少女を、術に落ちているにも関わらず制した煉獄さん。柱たる者としての精神(こころ)の強さ、そして生存本能が発揮された瞬間だった。