『鬼滅の刃』新エピソードは何を描いた? 煉獄をメインヒーローと位置付けた導入

 10月10日23時15分よりTVアニメ『「鬼滅の刃」無限列車編』第1話がフジテレビ系で放送された。劇場版ではすでに無限列車に乗り込んでいた煉獄杏寿郎が、そこにどうやって至ったのか、無限列車に乗り込むまでを描いた完全新作エピソードということで、早くから注目を集めていた。

アニメ『鬼滅の刃』公式サイト
アニメ『鬼滅の刃』公式サイトより

 オリジナルのキャラクターとして、駅弁売りのふく、おばあちゃんのトミらが登場。ふくの声を水瀬いのり、おばあちゃんの声を井上喜久子が担当したことなども、熱心な声優ファンの間で話題になった。メインキャラクター以外のエピソード限りのキャストが豪華なことも『鬼滅の刃』の魅力で、『遊郭編』では宇髄天元の嫁などキャストが発表されていないキャラクターがまだ多く、どんな声優が務めるのか期待がさらに高まる。また、『鬼滅の刃』は緻密で繊細な映像美も人気の要因の1つで、薄暗い厨房で蕎麦を作るシーンや新聞が映るシーンなど、その細かさにハッとさせられたる場面も多かった。

 そば屋の主人や前述の駅弁売りの2人、整備工場で働く人たちとの触れ合いなどが、丁寧に描かれていたことも印象的。人々の思いを受け止めるシーンが多く描かれたことによって、なぜ煉獄が最終的にあそこまで身を挺することができたのか、単なる使命感だけではなく、こういうことが重なってより思いを強固なものにしたことが推察されるものになっていた。

 実はトミが、煉獄の父親である槇寿郎に助けられたことがあり、それに触れ父親のことを誇らしげに語るシーンもあった。原作コミックでは、その後炭治郎が煉獄家を訪ね、杏寿郎の幼い頃のことや󠄁槇寿郎の現在を知り、自身のルーツの一端に触れるエピソードが描かれている。原作コミックを最後まで読んでいるファンなら、余計に胸の奥がキュッとなったシーンだろう。

 また、無限列車に炭治郎たちが到着した時に、なぜ煉獄が大量の駅弁を食べていたのかが明かされたほか、「うまい!」に始まり「うまい!」で終わるというユーモアや、『劇場版』の冒頭で伊之助が列車に勝負を挑んで善逸にとがめられる様子を、ふくが見ていたというシーンなどは、ファンの心をくすぐった。

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