『古見さん』只野と古見のすれ違いがもどかしい 城田優の熱唱に増田貴久のメイド姿も

『古見さん』古見と只野のもどかしいすれ違い

 よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』(NHK総合)第6話では、潔清子(大西礼芳)と阿瀬志吹(筧美和子)に次ぐ、さらなる新キャラが登場する。それが、成瀬詩守斗(城田優)。名前の通り、超絶ナルシスト系男子だ。

 只野(増田貴久)たちのクラスに新しく転校してくる成瀬は、その190cmの長身と過剰な自己主張、全てがスケール外だが、頑なに友達を作ろうとしない人物でもあった。一目見た瞬間から、古見(池田エライザ)を気に入った成瀬は、後ろの席からジャスティン・ビーバーに、BTS、北島三郎とオールジャンルOKであることをアピールするが、決して話しかけようとはしない。友達を作るいい機会だと担任の先生から誘われた文化祭の実行委員。出し物を決める意見の中にあった「なんでもいいです」を「どうでもいいです」と解釈し、成瀬は早々にクラスから孤立してしまうのだった。

 そんな成瀬の肩を叩くのが古見。みんなで初めてのカラオケへと向かう。実は誰かとカラオケに行くのが初めての成瀬。迷った挙句に「森のくまさん」という童謡を選曲する。演じる城田優といえば、ミュージカル俳優として歌唱力に定評があり、山崎育三郎、尾上松也とのプロジェクト・IMYでオリジナル楽曲も発表している。はっきり言えば「森のくまさん」は地獄の選曲であるが、城田にかかればクセの強い歌い方とアレンジで自分のものにしてしまうのだから、やはりすごい。

 古見が選曲したのは、太田裕美「木綿のハンカチーフ」。案の定、古見が歌い出すことはできないが、みんなが彼女の心の声をじっと聴く時間が流れる。しかし、その沈黙を破るのが、自称誰よりも空気を読むことができる只野。注目はここで歌う「木綿のハンカチーフ」の音程が絶妙に外れていること。あの、増田貴久がである。只野としてわざと下手に歌う演技はレアな姿であろう。さらに、なじみ(ゆうたろう)が歌うBUMP OF CHICKEN「天体観測」にギター(カラオケの小道具)で参加。文化祭の出し物として候補に挙がっていたメイド喫茶から、メイド姿まで披露する出血大サービスである。

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