『ぐんまちゃん』は子供も大人も楽しめる! 主演・高橋花林が大切にした愛らしさとは?

高橋花林は“ぐんまちゃん”をどう演じた?

 くまもん、いまばりバリィさん、ふっかちゃん、さのまる……日本中全国に生まれたご当地キャラ。数多くいるキャラクターの中で、群馬県のご当地キャラとして、多くの人に愛されているのが「ぐんまちゃん」だ。そんなぐんまちゃんが楽しい仲間たちと暮らす世界がアニメ化。「ぐんま」を舞台に、子供はもちろん、大人も気づきを得ることができるエンターテインメント作品に仕上がっている。

 群馬県出身の内田彩、小倉唯が声優キャストに名を連ねる中、主人公ぐんまちゃんを演じたのは神奈川県出身の高橋花林。それだけにプレッシャーも大きかったと語るが、彼女はどう自分の中に「ぐんまちゃん」を落とし込んでいったのか。(編集部)

まさか決まるとは思っていなかった“ぐんまちゃん役”

ーーぐんまちゃん役はどのように決まったんですか?

高橋花林(以下、高橋):ぐんまちゃん役はオーディションで決まったんです。まず、オーディションを受けられることを聞いた時に、「えー! アニメ化するんだ!」ってワクワクしました。ご当地キャラのアニメって珍しいなって気持ちと、いち視聴者として楽しみだなって。役が決まった時は、嬉しい気持ちと「え? 決まったんですか?」みたいな素っ頓狂な感じの反応をしてしまいました。

ーーそれは、まさか決まるとは思っていなかったということですか?

高橋:オーディションに行った時に、「これでよかったのかな……」といいますか、監督に刺さった感じ、手応えがあまりなかったので、「決まったんだ!」と驚きが大きかったです。

ーー監督のリアクション的にそう感じたんですか?

高橋:もともと個性的な声を求めていると伺っていたので、個性的な感じでいったんですよ。そうしたら、「もっと普通にしてください」ってディレクションをいただいて、「普通ってなに……?」ってなってしまって。「自分の中で思う普通はこれだ!」って思って、その場ではやったんですけど、後から考えれば考えるほど、本当にこれでいいのかなっていう風になってしまって……。

ーーそこからぐんまちゃん役に決まって、プレッシャーもありましたか?

高橋:プレッシャーというか、未知で。まず、どんな方向にしていいのかが分からなくて。先ほどのオーディションのこともそうですけど、「普通にしてください」と言われながらぐんまちゃん役に決まり、第1回のアフレコに行ってみたら思ったより普通じゃないディレクションをされたんです。オーディションの時から段々と変化していって、そこでキャラクターの声色を作っていった感じで。プレッシャーというよりかは、どうしていこうかって考える時間の方が多かったと思います。

ーー言ってしまえば、高橋さんの場合、群馬県の出身じゃないこともありますよね。

高橋:そうなんですよね(笑)。群馬出身じゃなくてよかったんだ?って。その話をマネージャーさんにしたら、「そもそも群馬出身じゃなくちゃ駄目だったら、テープオーディションの時点でエントリーできないから、大丈夫だよ」って言われて、自分を納得させました。

ーーそこを突破できるくらいに高橋さんがぐんまちゃん役に適任だったということでもありますよね。

高橋:そう思っていただけたならよかったです。オーディションには、ぐんまちゃん作者の方もいらっしゃっていて、説明をしてくださったんですね。ぐんまちゃんはこういう子で、こういう風に考えて生活してる子ですって話を聞いて、そこでやっとぐんまちゃんのイメージが固まりました。作者の方もこの演技の方向でいいと思ってくれたのかなって、思うことにしています。

(左)あおま、(右)みーみ

ーーそれこそ、あおま役の内田彩さん、みーみ役の小倉唯さんは群馬出身ですもんね。

高橋:そうですね。キャスト決定したのを見て、群馬の人に挟まれてるって思いました(笑)。

ーー2人とは何か話されましたか?

高橋:アフレコはほとんど一緒に収録できたので、よく合間に群馬のお話を伺っていました。2人ともぐんまちゃんは子供の頃から身近にいるキャラクターだっておっしゃっていて、すごい愛着があるんだなって思いますね。あとは、群馬のいろんなことを教えてもらいました。アニメのエピソードにヤヨイヒメが出てくる、イチゴの回があるんですけど、群馬の人はイントネーションを「イ↑チゴ」って言うんですって。群馬のアニメだから「『イ↑チゴ』って言いますか?」って話をしてくださって、「ここは『イ→チゴ』でいきましょう」って決まったんですけどね。

ヤヨイヒメ

ーーアフレコ収録では、どのようにぐんまちゃんとしての役作りをしていったのでしょうか?

高橋:ぐんまちゃんは、おっとりしているけどポジティブという性格なんですね。監督から言われるのは「フラットに」ということで、ぐんまちゃんは楽しいシーンでも、あまりテンションが上がり過ぎない。それは、あおまくんとみーみちゃんの役目で、ぐんまちゃんはテンション上がり過ぎないということをすごく気にしてやっています。悲しい時も下がり過ぎず。

ーーアニメの中では、ぐんまちゃんが「楽しいー!」と言っている姿が印象的です。「楽しいー!」と言いつつもフラットに、というのは難しかったのではないですか?

高橋:難しかったです。アフレコの後半になればなるほど、自分がぐんまちゃんに馴染んでくるので、やり過ぎちゃうというか。ぐんまちゃんが弾けすぎちゃうと監督に「やりすぎです」って言われて、軌道修正していったこともありましたね。アドリブをするわけではないですけど、表現の方向を面白くやってみようってなっちゃうんです。

ーーほかに演じる上で気をつけたことはありますか?

高橋:群馬のみなさん、日本のみなさんに愛されているキャラクターなので、愛らしく。ちょっとだらけたシーン、ダラダラしているシーンでも、憎めない感じになるようには意識しています。見ていてイラッとするキャラって嫌じゃないですか(笑)。

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