赤楚衛二×上白石萌歌、2度目の共演で実感した信頼関係 「戦友だし同士のような存在」

赤楚衛二×上白石萌歌、再共演で感じたこと

 映画『366日』で主演を務める赤楚衛二とヒロインを演じた上白石萌歌。本作は、2008年に発表されたHYの楽曲「366日」をモチーフに誕生した切ない純愛物語。同曲は叶わぬ恋を歌った失恋ソングとしていまなお歌い継がれている。

 赤楚と上白石の共演は、2023年に放送されたドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系/以下、『ペンディングトレイン』)以来となる。再びの、そして20年にわたる物語での共演で何を思うのか。2人の心境に迫った。

赤楚衛二と上白石萌歌、『366日』での2回目の共演について

(左から)赤楚衛二、上白石萌歌

——お2人の共演は『ペンディングトレイン』以来になります。現在の心境を聞かせてください。

赤楚衛二(以下、赤楚):嬉しいですよね。『ペンディングトレイン』に携わっていた仲間に対しては、僕は“魂でつながってる”レベルで信頼しているので。

上白石萌歌(以下、上白石):私にとってもあの現場は“戦場”のようなイメージで、多分お互いの役者人生の中でもトップレベルできつかった現場だよね。いまだに『ペンディングトレイン』に出演していたメンバーに会うとそんな話になりますが、そういう意味でも赤楚さんは一緒に戦い抜いた戦友だし同士のような存在だなと思っていました。今回のお話を頂いたときもまた戦友に会えるというか、より濃密にお芝居できるということで、元々すごく信頼していたのもあって、今回の作品のような題材でお互い初対面だと気を使ってしまう部分もあると思うんですが、赤楚さんとならきっといい関係でお芝居ができるなと思ったのですごく楽しみでした。

——『ペンディングトレイン』の時期は赤楚さんにギャップを感じたとコメントしていましたが、その印象は今回の共演でも改めて変わったりしましたか?

上白石:『ペンディングトレイン』のときはみんなを引っ張っていくキャラクターだったので、今回とは役柄が少し違います。でも、赤楚さんの「何かを言いたいけど言えない」ときの目線は、やっぱりたまらなく素晴らしいなというのは変わらず感じました。


——赤楚さんは、“誰かのことを想うけど本心を言えない”ような表現を積み重ねている中で、どのように演じられているのでしょうか?

赤楚:本当に「そう想う」ということですかね。それぐらいしかないかなと思いつつ、でも本当に『ペンディングトレイン』ぐらいから、周囲からの見え方については結構大事にしていて、例えばカメラに対して目線をどう下げたらどういうふうに見えるかというようなことは、すごく意識していました。

上白石:前作の共演時も思っていたんですが、先ほどもおっしゃったように何かを語らずとも目の動きや私を見ている視線だけでどんなことを思って、どういうものを届けようとしているかということがすごくわかります。これはすごく助かることで、ただ赤楚さんを見ているだけで自分が役として存在できるようなところがあって、今回もそういう赤楚さんの佇まいにとても助けられました。無言の説得力とか、言葉がなくとも胸に突き刺さるものはなかなか出せるものではないと思うので、たくさん力をお借りしてお芝居できたなと思っています。

赤楚:ちょっとこそばゆいですね。

——赤楚さんから見て上白石さんはいかがですか?

赤楚:お芝居には、究極的には人間力や人間性みたいなものが出てくると思いますが、上白石さんは本当にまっすぐで純粋で、目線を合わせると本当にそのまま言葉と目で届けてくれるから、僕も本当に自然と湊としていさせてくれたようなまっすぐさを感じます。今回の美海というキャラクターには言ってしまえば少し未熟な部分もあると思うんですが、そこもやはり魅力につながっているので、これは上白石さんしかできないお芝居だなぁと思いながらやらせていただきました。


——今回は20年強の時間が経つという設定の役ですが、お2人は朝ドラにも出演されるなど長い年月を演じるというのは経験されていると思います。そのあたりの経験が今回の映画『366日』に活かされた部分はありますか?

赤楚:年齢の変化で言うと、僕は“重心を変える”ことが大事だなと思っていて、朝ドラのときに勉強したんですが、やっぱり高校生とかは身軽だから少しふわっとしていて、物理的な重心も身体の上のほうにありますが、だんだん年を重ねていくと重心を落とすように意識したかなと思います。

上白石:それで言うと、眼差しにもすごく年齢が出ると思います。幼い子供の眼差しと年を重ねてきた人の眼差しは全然違うものだと思いますし、私も3世代を演じる上で最後の方はそういう眼差しの柔らかさというか、目尻の張りのようなところをお芝居で出せたらいいなと思って、視線の動かし方に意識を向けてお芝居しました。

——一方で、本作はお2人が制服を着ていても何の違和感もないところから始まりますよね。

上白石:奇跡の30歳じゃない(笑)?

赤楚:絶対演出のおかげだよ(笑)。

——終盤、完全に“お母さん”の表情になっている上白石さんの演技も素晴らしいと思いました。

赤楚:確かに。映像見てびっくりした。

——終盤の現場は一緒ではなかった?

赤楚:別々でした。

上白石:そういう意味ではリンクしているよね。

——HYさんの主題歌「恋をして」はいかがでしたか?

赤楚:号泣ですよ。「よくぞ湊の想いを全部込めてくれた」というと大袈裟ですけど、あらゆる感情が全部込められていると思えるような曲でした。クランクインの前にもデモを聴かせていただきましたが、本当に素敵な曲だなと思ってはいたものの、やはり映画を通して最後に流れてくると、こんな想いが詰まっているんだというふうに思えたのは大きかったです。

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