『シャン・チー』ヴィランになぜトニー・レオンを起用? ケヴィン・ファイギが明かす
全国公開中の映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の新場面写真とケヴィン・ファイギのコメントが公開された。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』『ブラック・ウィドウ』に続くマーベル・スタジオ最新作となる本作は、アメリカを含む全世界42カ国で公開され、公開週末に全米No.1だけでなく、全世界興行収入での週末興収ランキングNo.1を記録し大ヒットスタートで幕を開け、2週連続で全世界興行収入No.1を記録。公開からわずか2週間の週末で、世界全体で推定2億5,760万ドル(約280億円)の興収を売り上げた。
マーベル・スタジオの今後の作品にも深く関わっていくことが期待される新ヒーロー、シャン・チー(シム・リウ)の誕生を描いた本作で注目を集めているのが、ヴィランを演じたトニー・レオン。主人公シャン・チーの父であり、悪の組織のリーダーでもあるシュー・ウェンウーを演じている。一族に伝わる伝説の腕輪“テン・リングス”を操り、世界を脅威に晒していくキャラクターだ。
これまでも、数々の作品で魅力を発揮してきたトニー・レオンだが、ハリウッド映画の大作に出演するのは意外にもこれが初めて。トニー・レオン自身、「僕の役者のキャリアの中で、僕が手がけた最も大きな予算の作品の一つだよ」と話しているが、彼にとっても、世界興行収入No.1シリーズのマーベル・スタジオの作品は特別なものだったようで、「今のテクノロジーと伝統的なマーシャル・アーツがコンビネーションしている。CGIとリアルなファイトがコンビネーションしているんだよ。だから、この作品は本当に特別だったよ」と語るように、本作で彼は新たに、主人公の前に立ちはだかるヴィランとして、華麗なマーシャルアーツに最新テクノロジーを融合した壮大なアクションを披露している。また、一般的には邪悪なイメージが強いヴィランだが、彼が演じたシュー・ウェンウーは、愛の深さゆえに悪事を働くという、完全に“悪”とは言い切れない存在となっている。
マーベル・スタジオの社長で、本作のプロデューサーでもあるケヴィン・ファイギは、本作のヴィランに彼を起用した理由について、「シュー・ウェンウーは新しいキャラクターなんだ。僕らは、ウェンウーのキャラクターに邪悪な感じが欲しかった。でも、彼はとても奥行きがあるキャラクターで、とても感情移入してしまう悲劇的な人物なんだ。それをトニー以上にやれる人はいないよ」と説明している。そして、「僕たちは、彼にとても大きな期待をしていたけど、彼はそれをぶっ飛ばし、その期待を大きく超える仕事をしてくれたんだ。一番最初からね。彼とシャン・チーの母親になる女性との間の表情、あのファイトの間の視線は、とてもスペシャルな演技だよ」と期待以上の活躍をみせたトニー・レオンを賞賛。
続けてファイギは「僕らはマーベル・スタジオで、多くのとても有名な役者たちと仕事をすることができて、とてもラッキーなんだ。生きているレジェンドと呼べる人たちと仕事ができてね。でも、彼らの誰も、感動的、または、レジェンドという表現において、トニーのようではなかった。それはたぶん、彼が今までハリウッド映画の現場にいたことがなかったからだと思う。僕はロサンゼルスに住んでいるし、たまに他の役者たちを見ることはある。でも、トニーはこういった素晴らしい映画の中にしかいない神話的な人物だった。だから、彼に直接会えたのは撮影がシャットダウンする前にちょっとだけしか会えなかったけれど、彼が仕事をする姿はもちろん、彼の周りにいる他のキャストたちが彼から学んで、その技術を自分たちのものにしていくのを見るのも素晴らしかったね」とも話し、トニー・レオンは、いちキャストとしての魅力溢れる演技を披露した上に、他の出演者たちにも大きな影響を与えてくれたのだと、撮影の裏話も明かした。
■公開情報
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
全国公開中
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:シム・リウ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2021