渡邊圭祐、『推しの王子様』航に重なる成長劇 『MIU404』『恋ぷに』から広げた演技の幅

渡邊圭祐と『推しの王子様』航に重なる成長劇

 ドラマ内での役同様、魅力を大きく開花させているのが、航を演じる渡邊圭祐だろう。渡邊は、『仮面ライダージオウ』(2018年/テレビ朝日系)の仮面ライダーウォズ役で役者デビュー。その後、『恋はつづくよどこまでも』(2020年/TBS系)の小児科新人看護師、仁志役や『MIU404』(2020年/TBS系)の特派員REC役、『恋はDeepに』(2021年/日本テレビ系)の蓮田家三男・榮太郎役など、話題作に引っ張りだこ。いずれの役もやや無気力で、飄々としているところがあり、今回のドラマでいう「育成前の航」の姿に近い。だが、まさに泉美の“理想の王子様”となろうとしている航は違う。ビシッとスーツを着こなし、人前で堂々と乙女ゲームのプレゼンをする姿や、たまに見せるさわやかで眩しい笑顔はもちろんのこと、泉美のことを思って苦しそうな顔を見せ、時に涙する姿も新しく、美しい。ドラマの中で、演技の幅を大きく広げている渡邊にもぜひ注目してほしい。

 泉美は「スタッフがやりたいことをより実現できるように」と、自身が経営する「ペガサス・インク」を大企業ランタン・ホールディングスの傘下にする決断をする。しかし泉美自身が乙女ゲームへの情熱が持てなくなり、仕事がうまくいかず、悩んでいた。ついにはスタッフに会社を辞めることを宣言し、それまで住んでいた家も引き払い、姿を消してしまった。大きな仕事の時には、ケント様のイメージカラーで推し色の青を身にまとい、強気で凛とした表情を見せていた泉美は、もういない。最終回、弱々しく、傷ついてしまった彼女は一体どうなるのだろうか。その隣にいるのは、誰になるのだろう。

■放送情報
木曜劇場『推しの王子様』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:比嘉愛未、渡邊圭祐、ディーン・フジオカ、白石聖、徳永えり、瀬戸利樹、佐野ひなこ、谷恭輔、藤原大祐、船越英一郎ほか
脚本:阿相クミコ、伊達さん(大人のカフェ)
編成企画:狩野雄太、江花松樹
プロデュース:貸川聡子
演出:木村真人、河野圭太、倉木義典
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ

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