『おかえりモネ』三生の断髪式に込められた“あの日”からの決別 ついに百音が決意を固める

『おかえりモネ』“あの日”からの決別

 百音(清原果耶)が、島と本土を結ぶ橋を通って帰郷した。そこにあったのはカキ棚の修復作業に追われながらも、まるでお祭り前夜のようにはしゃぐ地元の人々の笑顔。『おかえりモネ』(NHK総合)第93話では、百音が地元に帰ることを決意する。

 この日は、百音の誕生日。「あんだけ苦労して海を渡って生まれた子が、今日、橋を渡って帰ってきましたよ!」と耕治(内野聖陽)は囃し立てる。24年前、新次(浅野忠信)が船を出してくれたおかげで百音は生まれた。そして今度は“あの日”、海を渡れず百音はなにもできなかったという後悔を抱くことになる。

 だけど、今はそのどちらとも状況は大きく変わった。新しい橋が架かり、百音ももう己の不甲斐なさに打ちひしがれる子供じゃない。自分の意思で、そして自分の力で橋を渡り、帰ってくることができるのだ。

 守られる側の子供から、守る側の大人へ。その儀式の一つとして描かれたのが、三生(前田航基)の断髪式だ。父・秀水(千葉哲也)の跡を継ぎ、寺のお坊さんになることを決意した三生の髪を幼なじみたちがバリカンで刈っていく。さっきまでの空気とはうってかわって、神妙な面持ちで大人たちが見守る中、それぞれが“あの日”を思い出しながら子供だった自分自身と決別しているようだった。最後に三生の髪を刈った秀水の顔は、先ほど百音を見つめていた耕治の表情とよく似ている。少し寂しそうで、だけど誇らしげな優しい笑顔だ。



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