斎藤工主演『漂着者』ヘミングウェイが総理の悲劇を予知 新たに加わった能力とは
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まるで何かの予兆あるいは答え合わせのようにドラマと現実が交錯する。現職の総理大臣が退任を発表したその日に、フィクションの世界では時の首相が不運な死を遂げた。『漂着者』(テレビ朝日系)第6話では、ヘミングウェイ(斎藤工)が宮部総理(キンタカオ)との公開討論に臨む。宮部は若者に人気のヘミングウェイにあやかって支持率を回復しようとしていた。
謎に包まれていたヘミングウェイの力に、新たな角度から光が当たった。多くの人にメッセージやビジョンを呼び覚ましたヘミングウェイの動画について、心理学部教授の佐瀬(木下政治)は、サブリミナルではないが集団催眠を起こす効果があると詠美(白石麻衣)に答える。事前にヘミングウェイの予知能力を知ることで自己暗示にかかり、隠れていた無意識が顕在化するというのだ。「ヘミングウェイなる人物のように影響力のある人が、ネット上で盲信的な信者たちに向かって言葉を発すれば、世界を動かすほどの集団催眠になります」。その第一ステップは奇跡を見せること。ではヘミングウェイの予知能力は本物といえるのだろうか?
人間の第六感にあるとされる予知能力。それを持つ少数民族の遺伝子を受け継ぐのがヘミングウェイであることは繰り返し示されてきた。行方不明になった女児の居所を突き止め、何度も詠美を危機から救い、13人の園児を救出する過程を私たちは見てきた。その一方で、佐瀬は「ヘミングウェイは本物かもしれません。ただ、本物のように見える奇跡も、近くにサクラがいればたやすいことですね」と指摘する。留保が付けられた予知能力とその裏にある真実に対して人々の態度はさまざまだ。県警の柴田(生瀬勝久)は、放火犯を例に挙げ、放火現場に毎回姿を見せる男は犯人に違いないとしつつ「ひょっとしたら、俺達には想像もつかないたまたまがあったりしてな」とつぶやく。社会部キャップの橋(橋本じゅん)は、詠美の父の言葉を借りて、「大切なことはそれが事実かそうじゃないかじゃない。一番大切なことは何を歴史に残すかだ」と警鐘を鳴らす。
ローゼン岸本(野間口徹)や亡くなった琴音(シシド・カフカ)はヘミングウェイの能力を知って近づいてきた。ローゼンたちはヘミングウェイを預言者として1400年間待ち続け、目的を持って13人の園児を誘拐。しかし、警察の事情聴取ではそれらの事実をひた隠しにする。はぐらかしとほのめかし、塗り重ねられた嘘によって真実は遠ざかるが、ヘミングウェイの新たに発現した能力はそれが本物であることを確証する。