『漂着者』白石麻衣とシシド・カフカが鍵を握る? ヘミングウェイを覚醒させる2人

『漂着者』ヘミングウェイ覚醒させる女性陣

※以下の文章にはドラマ本編の内容に関する記述が含まれます

 ヘミングウェイ(斎藤工)が祈りを捧げる。「もし僕に力があるんだったら、少しでもお役に立ちたいと思って」。失踪した幼稚園児13人の行方を探り当てるため、海に向かって意識を集中する。その動画を見た視聴者からは、怪異な報告が次々となされた。。

 『漂着者』(テレビ朝日系)第5話では、新たにヘミングウェイの能力が発現。動画を見た視聴者には、脳内で聞こえないはずの声が聞こえるというのだ。いわゆる「聞こえますか……あなたの心に直接呼びかけています」状態。女子高生3人組のラペ(太田奈緒)が「頭の中をのぞかれた気になって」と話すように、無意識の領域が半ば強制的に顕在化されるようだ。それらはポジティブな内容とは限らず、犯罪や不貞をほのめかすコメントも続出。まがまがしさを秘めた力は、超自然的な存在の降臨を思わせる。

 ヘミングウェイの能力は、以前は、スケッチブックにイラストを描くことで行方不明になった女児の居場所を言い当てるなど、脳内に浮かんだビジョンを可視化するサイキックアートのようなものだった。能力が進化したきっかけはいくつか考えられるが、前話で詠美(白石麻衣)がペレゾフスキー(マキシム・コレニック)に襲われた場面で、詠美の身に危険が迫っていることを察知したのが最初と思われる。もう一つは、琴音(シシド・カフカ)との出会いだ。琴音との接触以降、ヘミングウェイの失われた記憶は徐々に戻りつつあった。「僕にとってとても大切な存在」という琴音が、ヘミングウェイの能力の秘密を握っていることは間違いない。

 ヘミングウェイをめぐる2人の女性は、本作の恋愛パートも担っている。婚約者を自称する琴音はヘミングウェイを「預言者様」と呼び、1400年間待ち続けていたと語る。いつの日か出現する預言者を、先祖代々待ち続けていた琴音にとって、ヘミングウェイは時空を超えた運命の相手。名前も知らない間に相手の腕の中で息絶える結末も相まって、悲劇のヒロイン感を増幅していた。その反面、琴音には裏の顔もあって、しあわせの鐘の家や後宮教授(越村公一)の研究データを狙うペレゾフスキーたちとつながっており、13人の園児誘拐事件を陰で画策していた。しかし、ヘミングウェイの預言者としての能力が覚醒したことで、琴音の目論見は狂ってしまう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる