『漂着者』白石麻衣とシシド・カフカが鍵を握る? ヘミングウェイを覚醒させる2人

『漂着者』ヘミングウェイ覚醒させる女性陣

 琴音の計画に想定外をもたらしたのが、詠美であることに異論はないだろう。詠美は女児連続殺害事件をきっかけにヘミングウェイと出会い、正体を知るために足しげく鐘の家に通うようになる。謎に包まれたヘミングウェイに対して、新聞記者として真実を追求するなど対極的な両者だが、それにもかかわらず、2人は最初から決まっていたかのように魅かれ合う。そこにはある種の必然性すら感じる。超常的なものを信じない詠美がヘミングウェイに魅かれたのは、ヘミングウェイの予知能力を目の当たりにしたこともあるが、母親に対する感情を揺さぶられたことが大きい。

 詠美の母親(松長ゆり子)は詠美が幼い頃に亡くなっており、ヘミングウェイと出会うことで胸の奥にしまい込んでいた母への思いが蘇る。母の死に対する悲しみや憤り、理不尽さへの疑問は、記者として真実を追求する詠美のモチベーションになっているのだが、ヘミングウェイはそれらをそのまま受け止めることで、詠美にとって特別な存在となった。ヘミングウェイの力はある種の突出した共感能力といえるが、一方で、対象との距離感を見失わせてしまう危険もある。実際、詠美は橋(橋本じゅん)にヘミングウェイとの関係を危惧され、恋愛関係にならないし、なっても大丈夫だと答えているのだが、すでに詠美の中の境界線は書き換えられた後のように見える。

 現代に現れた預言者と、その能力を目覚めさせる人々は表裏一体の存在と言っていい。一線を超えた先にどんな真実が待っているのか、目が離せない展開が続きそうだ。

『漂着者』第5話 場面写真

■放送情報
『漂着者』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~24:15放送
出演:斎藤工、白石麻衣、船越英一郎、リリー・フランキー、戸塚純貴、野間口徹、橋本じゅん、生瀬勝久、太田奈緒、隅田杏花、吉田志織、橋本じゅん
企画・原作:秋元康
脚本:神田優、ブラジリィー・アン・山田
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:飯田サヤカ(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
演出:本橋圭太(アズバーズ)、山本大輔(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/hyouchakusha/
公式Twitter:@hyochakusha2021 (https://twitter.com/hyochakusha2021)
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