『ハイヒロ』美 少年・金指一世が複雑な役どころで繊細な芝居 教師の苦悩という裏テーマも

『ハイヒロ』金指が複雑な役どころを好演

 今回は、裏テーマとして教師の苦悩も描かれた。生徒の頭を軽く叩いた動画が拡散された風見(長田成哉)に体罰教師のレッテルが貼られる。その姿を見て「今の時代、うちらに逆らうとかバカじゃん?」とほくそ笑む生徒たち。

 確かに、今の時代はたった数秒の操作で簡単に他人を貶めることができてしまう。教師のように信用を重んじる職業はとくに、常に気を張って生きなければならない。生徒を叩くなどもってのほか、少しでも綻びを見せたらつつかれてしまうのだ。

 そんな時代に適応した教師・近杉(橋本淳)が、花を傷つけた日輪魔人の正体だった。何をされても怒らず、ニコニコしていることから「スマイリー」と呼ばれている近杉。彼も教師になったときは何か野望があったはずだ。生徒とともに心から笑い、ときには怒って、ときには泣いて……そんな夢もいまの時代は叶えることができないのだろうか。生徒に怯え、SNSを恐れていくうちに、近杉は“自分”を失くしてしまった。

 日輪魔人と化した近杉を学園防衛部のヒーローたちは力技で倒そうとする。だが、一嘉だけは「力でねじ伏せるだけが勝利ではありません」と近杉の“心”に寄り添った。「嫌われてもいいじゃないですか。学校なんてたくさんあります。9割に嫌われても、1割が味方ならいいじゃないですか」。そんな一嘉の優しい語りかけが近杉の心を解いてく。教師は必ずしも誰からも好かれないといけないわけではない。学校という名の檻のなかにいると忘れそうになるが、世界は広いのだ。

 いよいよ5人が揃った学園防衛部。第5話からは、どのような戦いを見せてくれるのだろう。今から胸が高鳴る。

※岩崎大昇の崎は「たつさき」が正式表記

■放送情報
『ザ・ハイスクール ヒーローズ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~24:00放送
出演:岩崎大昇、佐藤龍我、那須雄登、浮所飛貴、藤井直樹、金指一世
脚本:高橋悠也、吉高寿男、筧昌也
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)、原藤一輝(ジェイ・ストーム)、塚田英明(東映)
プロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)、井上千尋(テレビ朝日)、浜田壮瑛(テレビ朝日)、大森敬仁(東映)
監督:及川拓郎、竹園元、筧昌也
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム、東映
(c)テレビ朝日

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