『おかえりモネ』神々しさすら感じる菅波と百音の心の触れ合い 2人の熱が初めて溶け合う

『おかえりモネ』初めて触れた菅波の心

 百音(清原果耶)たちが計画したプランBは成功し、鮫島(菅原小春)は見事、強化指定選手に選ばれた。逆風をはねのけて突き抜けていくナニクソ精神の強い鮫島と気象データをもとに献身的にサポートをしてきたチーム・サメジマが勝ち得たもの。この人の言うことならその情報を信じようと信頼を日々築き上げてきた百音の努力の賜物に他ならない。

 『おかえりモネ』(NHK総合)第65話では、菅波(坂口健太郎)が百音に話していた「僕はある人の人生を奪いました」の真相が明らかになる。

 体質改善のサポートとしてチーム・サメジマの一員だった菅波。「先生のおかげで無事勝てました」と感謝を伝える鮫島に、菅波は自然と笑顔になっていた。コインランドリーの洗濯機が終わるのを待つ、百音と菅波の時間。「いい結果」という一言から2人の脳内をよぎるのは、「最悪な結果」になってしまったという菅波の過去だ。

 「ド新人の空回りです」。そう話し始めた菅波は、初期研修が終わった頃を回想する。初めて助手の一人として担当した40代の男性患者はホルンの演奏家だった。肺の病気を一番に見つけた菅波は「先生のおかげで助かりました」と何度も感謝された。しかし、手術の前の検査で気になる所見が見つかる。手術をするべきか化学療法を併せた治療に切り替えるべきかもう少し時間をかけて慎重に判断したいという主治医に対して、菅波は半年後に予定されていた演奏会に間に合わせるため早急に手術をさせてあげたい。患者の賛同もあり、菅波のプラン通りに手術は実施された。

 その彼がプロの演奏家に復帰することはなかった。胸を開くと病気が進行していたのだった。結果的に、主治医のプラン通りにしていれば彼はゆっくりでも演奏家として復帰できていたかもしれない。「菅波先生が言うんだから大丈夫だ」という信頼とは裏腹に、未熟な菅波にはまだ確かな経験も実績もなかった。「演奏会の舞台に立たせて上げたい。きっと手術は上手くいく」という感情の赴くままに動いた結果の「最悪な結果」だった。百音が鮫島に「風を切り裂く感覚で勝負してみてもいいんじゃないか」と精神論を語った時、菅波は百音に過去の自分を重ねていたはずだ。



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