『おかえりモネ』鮫島の“自分のための”戦い “宇田川さん”の存在感も強まる

『おかえりモネ』鮫島の“自分のための”戦い

 それというのも、これまでの過去の失敗が全て“自分を信じた”結果だからだ。そして彼女はそんな精神論ではなく、今回はデータという科学的根拠を基に勝ちに行こうと朝岡を訪ねた。ところが、皮肉にもそのデータを信じるか信じないかも、自分次第ということに気づく。例えばそれを“百音を信じて” 鵜呑みにすると、それが間違っていた時に百音を、そして判断を他人に委ねた自分を責めることになる。それは“自分のために”なっていないのだ。すなわち、“自分のため”の勝利は彼女がこれまで疑い、戦ってきた自分自身を信じることでしか、やはり掴めないのである。

 いろんなことの風向きが変わってきた。果たして、選考会は鮫島の納得のいく形で終えることができるのか。一方で、こんなにも鮫島回だったにも関わらずレースの脇から存在感を強く放った人物がいる。百音ではない、彼女の掲げるボードの文字を書いた宇田川さんだ。百音の誕生日会の弾幕と一致するその筆跡は、未だ姿を見せていないのに伝わるその人間の温かみを十分に感じさせる。彼に会える日がいつか来ることを、待ち望んで仕方ない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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