『おかえりモネ』鮫島の“自分のための”戦い “宇田川さん”の存在感も強まる

『おかえりモネ』鮫島の“自分のための”戦い

 鮫島(菅原小春)が登場してから、掲げられてきた“自分のため”というテーマ。“誰かのため”に動いてきた百音(清原果耶)ばかりが、その問題にぶち当たっていたかのように思えたが、どうやら違ったようだ。『おかえりモネ』(NHK総合)第64話では、百音と激しく衝突した鮫島が自分の掲げるモットーに本当の意味で向き合う時がきた。

 このところ鮫島のタイムが伸び悩んでいた原因が、彼女自身が楽しんでいないという精神的な部分にあると気づいた百音。百音は、彼女の好戦的な性格を生かした「プランB」を始動させ、選考会で鮫島を導く。チーム・サメジマはもう、当日の気温や湿度といった本来の悩みの種だった鮫島のマイナス要素ではなく、彼女を勝たせる風というプラスの要素に目を向けていた。

 視聴者としては、選考会までの間、どうやらほぼ毎日のように彼女に会いに行ってサポートをしていた百音がオーバーワークしていないか少し気になってしまう。選考会当日も、スポーツ気象を推していくために“力を貸してほしい”と言った朝岡(西島秀俊)は現場に現れず、莉子(今田美桜)や内田(清水尋也)とともに会社のモニターで分析に徹していた。とはいえ、現場の雲の流れを見て風の動きを確認してほしいとすぐに莉子に連絡したような判断力など、百音は驚くほどの成長を遂げている。あまりにも彼女が頑張りすぎて、仕事もできるから忘れてしまっていたが、そういえば正社員ではないんだよな……と、気づく。

 そして、52周を走らなければいけない鮫島。その過酷なトラック数は、まさに自分との戦いだ。最初は好調だったものの途中からやはりタイムは落ちていき、暗雲が立ち込めてくる。鮫島はこれまでも常に、自分の勝利を第一に考えてきた。しかし、ここ数日はサポーティブな百音と過ごす中で「やってもらいっぱなし」な状態が彼女の性格にキツくなり、プレッシャーや焦りも相まって逆に自信を失ってさえいた。

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